取引先から見た3大メガバンクのイメージは?「不祥事の印象」が強かったのは
前回の五大商社に引き続き、就活人気企業であるメガバンク。安定、堅い、転勤が多い…。様々なイメージがあるが、実際のビジネスシーンではどのように評価をされているのだろうか。
Sansanが2021年4月~5月に名刺アプリ「Eight」ユーザー約6万人を対象に行った、一斉企業調査の結果を基に3大メガバンクを分析した(以下、Sansan株式会社シニアリサーチャーである真鍋 友則氏の寄稿)。
三菱、三井住友、みずほの印象は?
調査では、名刺交換経験がある企業の「ブランドの魅力」「製品・サービスの有用性」「人の印象」のスコア(ECS=Eight Company Score」)を算出している。
2021年11月の調査結果では、下表のような順位となった。ランキングでは株式会社三井住友フィナンシャル・グループ(三井住友)が1位、三菱UFJフィナンシャル・グループ(三菱UFJ)が2位だが、スコアとしては誤差の範囲で、実質的な差はないと言ってよい。一方、みずほフィナンシャル・グループ(みずほ)は全ての項目で他2社よりもスコアが低く、最下位となっている。
2019年11月調査から2021年11月までの2年間のECSの推移を見てみると(ECSの調査頻度は半年に1回)、三井住友と三菱UFJは互いに近いスコアで推移しているが、「製品サービスの有用性」と「人の好印象」は三井住友がやや高い傾向にあることがわかる。特に「人の好印象」は2年間継続して三菱UFJを上回っている。
2社との差が目立ったみずほ
一方でみずほは全ての項目で他2社よりも低い位置にある。みずほは、2・3月と8・9月にシステム障害を起こしている。それぞれのタイミングでブランドの低下がみられるが、8・9月のシステム障害の方がブランドスコアの落ち幅が大きい(-0.8 point)。
これは障害が繰り返されたことのよる不信の累積に加え、9月の金融庁の業務改善命令の影響もあると考えられる。特に「ブランドの魅力」の項目が低下しており、一連の不祥事が具体的なサービスや社員に対する印象というよりも、コーポレートブランドすなわち企業イメージ全体を毀損したことを示唆する結果となっている。