内々定21名の大量取り消し…“不動産テック企業”騒動から、就活生が学ぶべき教訓
部屋探しアプリ「CANARY(カナリー)」を運営する不動産テック企業「BluAge」(ブルーエイジ、東京都千代田区)が、2022年卒学生の内々定を大量に取り消したことが話題になっています。10月頃になって、内々定者47人のうち21人も取り消したのです。
この騒動について、「私も就活で辛酸を舐めた身なので、他人事とは思えないです」と憤るのが、全国宅地建物取引ツイッタラー協会(全宅ツイ)のYohei Shiraishi(@yh_shiraishi)です。Shiraishiさんは自身の苦い経験についてこう振り返ります。
内定取り消しより悪質な入社後リストラ
「私は内定取り消しより悪質ともいえる、新卒入社後のリストラを経験しました。当時はリーマンショックの影響で内定取り消しが社会問題となっており、取り消した企業は社会的に叩かれるリスクがありました。そこで一度入社させてからリストラしたわけです。僕ら同期はいわゆる『新卒カード』を無駄に切らされたわけで今思い出しても腹立たしいですね」
そのうえで、今回の騒動について次のように感想を述べます。
「月並みな感想ですが、内定取り消しをされた方々は本当に可哀想だなと思います。社会経験がない学生に、採用担当者が語るキラキラした話の本質を見抜くことは難しく、結果的に騙されたということでしょう。内定取り消しをされた学生は、『そのような会社に入らなくて良かった』と気持ちを切り替え、再度就職活動を頑張って欲しいです」
採用計画に無理があったのでは
Bluageは11月4日、自社サイトに謝罪文を掲載し、「新卒採用2年目の弊社に採用活動・運営における業務経験が浅く、『内々定』という社会通念への認識も不足しており、更には選考プロセスに関して就職活動を行う学生の皆様への必要十分な説明も欠いていた」と釈明していますが、非常識である印象は拭えません。Shiraishiさんは次のように問題点を指摘します。
「代表が12億円の資金調達を嬉々としてツイートをする一方で、今回の内々定取り消し。業績悪化によるやむを得ないケースとは考えにくく、学生は納得のいく説明が欲しいところでしょう。簡単な作業をする人員がスポットで必要なら50名採用も理解はできますが、会社の成長に繋げる新卒採用でそれだけの数が必要だったのか、スタートアップである同社の規模から考えると疑問ですね。
新卒社員の教育を行いながら事業を拡大させていくのは非常に難しいと思います。不動産業界でもオープンハウスのような会社は、離脱者が多いことを見越して多めに人員確保をするケースはありますが、それでも全社員数と同数の新卒採用はしないわけでそれだけBluAgeの採用計画が稚拙だったのだと思います」