藤原季節「立ってるだけで怖い」一人娘を失った父親役の古田新太に感激
現在、古田新太さんと松坂桃李さんの共演で話題の映画『空白』に出演中の藤原季節さん(28)。藤原さんは、古田さん演じる、一人娘を失った漁師の父親・添田充の弟子として共に船に乗る青年・野木を演じています。
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2020年頭に取材した『his』への出演以降、『佐々木、イン、マンマイン』『くれなずめ』『明日の食卓』『のさりの島』、さらにはNHK大河ドラマ『青天を衝け』など、話題作に立て続けに出演してきた藤原さん。本作での古田さんとの共演や、『his』以降、芽生えている役者としての変化などを聞きました。
実は祖父が漁師。演技の参考にも
――吉田恵輔監督のオリジナル脚本による作品です。
藤原季節(以下、藤原):僕の出演していた『ケンとカズ』(’16)を、吉田監督がご覧になっていたみたいで、それが野木のような弟分の役だったんです。脚本を読んで「ぜひ、やらせいただきたい!」と思いましたね。大役を任せていただいて、ありがたかったです。
――漁師役ですね。
藤原:僕のじいちゃんが漁師だったので、小さなころによく船に乗せてもらっていました。今はもう年齢的に海に出られないんですけど、玄関を開けたら全部海みたいな港町に今も住んでます。
今回、充さんの船に乗せてもらって、その背中がじいちゃんを見ているみたいで、小さいころに船に乗せてもらったことを思い出しました。野木もこんな感じで、自分の亡き父と充さんを重ねていたのかなと感じました。
「捨て犬界」での頂点になりたい
――最初はプレッシャーもありましたか?
藤原:ありました。充役の古田新太さんとお会いするのも初めてでしたし。ただ、野木は子どもの頃から港町で育ってきた漁師で、物怖じせずに充さんの隣に座っていると思ったので、現場に入ったら、堂々と物怖じしないように心がけていました。古田さんとは毎日ご飯を一緒に食べていたので、気が付いたらプレッシャーもどこかに消えてリラックスした状態でいられました。
――吉田監督が、藤原さんの「捨て犬感」がよかったとコメントされていました。そう聞かれていかがですか?
藤原:吉田監督は「キャスティングした段階で演出はほとんど終わっている」みたいなことをポロっとおっしゃっていて、現場はスーパー早撮りで、ほとんど1テイクで終わっちゃうんです。撮影が5時間早まることもありました。「捨て犬感」が出ていたという監督の言葉は、僕もあとになって聞きました(笑)。捨て犬界での頂点になりたいと思いましたね。