「田舎をなめたらアカン!」詐欺師オトコの正体を暴いたローカル情報網
世の中には、息を吐くように嘘をつき、まったく悪びれることなく世間を渡り歩く詐欺師のような人間も少なくありません。佐藤玲奈さん(仮名・当時28歳)も、そんな詐欺師のような男・下柳(当時35歳)に引っ掛かり、もう少しで泣き寝入りするところだった女性のひとりです。
出会い系で知り合った“優しい男”
「長いあいだ彼氏もいなかったし、ふと寂しくなって出会い系アプリを使ってみたんです。口元と上半身だけを映して自分のプロフィールに載せると、しばらくして、下柳さんからコンタクトがありました。返事をするのに躊躇していると、『はじめての登録って書いてあるし、返事に困ってるのかな? ゆっくりでいいよ』という文章が送られてきたんです」
下柳さんのことをやさしい人だと思った佐藤さんは、すぐに返事をしなかったお詫びとともに自分の容姿に自信がないことを伝えます。また、会って幻滅されるのは嫌だからアプリの中だけで仲良くしたいとも。下柳さんは快諾し、日常的な会話で盛り上げてくれ、「容姿なんて関係ない」とやさしい言葉で佐藤さんを包み込んでいきました。
「下柳さんは、ときどき会いたそうな素振りは見せるものの、“会おう”とは絶対に言いませんでした。その態度が誠実に映ったんです。会ったら嫌われるかもと思いつつ我慢ができなくなって、自分から会いたいと言いました。下柳さんが『本当にいいの?』と嬉しそうな反応を見せてくれたので、すぐに会う約束をしたんです」
イケメンに高級レストランに誘われて
待ち合わせ場所に現れた下柳さんはプロフィールの画像どおりのイケメンで、やり取りしたとおり、佐藤さんの容姿のことなど一切気にする様子はありませんでした。それどころか、佐藤さんを食事に誘い、夜景のキレイな高級レストランへ連れて行きます。
「これまで、あまりよい恋愛経験をしてこなかったので、高級レストランでのデートや煌めく夜景、それに下柳さんの甘い言葉の虜になりました。会う頻度も徐々に増えて、ホントに幸せな日々でした。そのうち、海外出張が多いから家賃がもったいないと言い始めたので、『親がいてもいいならウチに来たら?』と言ったんです」
半分冗談で言った佐藤さんでしたが、下柳さんは真剣な顔で、「ぜひそうしたい」と言います。親のいる実家でも一緒に住みたいと言うぐらいだから、結婚のことも真剣に考えてくれていると思い、佐藤さんは下柳さんを実家に招いて同棲をはじめたのでした。
「でも、一緒に住みはじめたら、怪しいことだらけなんです。海外出張が多いと言っているのに、下柳さんは簡単な英語すらできませんでした。それに、“会社を立ち上げたいけど、友人の借金があるから難しい”と言い出し、少額ではあったものの、お金を無心するようになっていったんです」