『呪術廻戦』に学ぶ「弱さを強さに変える」方法。コンプレックスに負けない
『呪術廻戦』(集英社刊/『週刊少年ジャンプ』で連載中)が、生き方やビジネス、キャリアのヒントにあふれている、というと、きっと皆さん驚くかもしれません。
ビジネスは、妬み、嫉み、縛りといったネガティブな要素からは切っても切れない世界です。人間関係も、日々の仕事も、キャリアを拓くことも、思い通りに進まないのが大概ですから、負の感情が渦巻いていると言っても過言ではないと思います。
大学教員であり、20年の実績を持つ心理キャリアカウンセラーでもある、マンガとキャリアの関係を長年研究している井島由佳さんは『呪術廻戦』に込められたメッセージを心理学的に読み解き、『『呪術廻戦』流自分を変える最強の方法』(アスコム刊)という本に、我々が教訓や戒めとすべき教えの数々をまとめています(以下、井島さん寄稿)。
『呪術廻戦』の呪いは人の“負の感情”
うまくいかない現実に、焦りやイライラを募らせている人も少なくないでしょう。誰かを呪ってやりたいという気持ちは、もしかしたら、誰もが少なくとも一度や二度は抱いたことがあるかもしれません。
『呪術廻戦』における呪いは、憎悪、嫉妬、焦燥、恥辱、悲哀、絶望、苦悩、後悔といった、人間から生まれる“負の感情”であり、負のエネルギーの集合体です。呪いが形を成したものが呪霊です。作品内で呪霊たちは恐ろしく描かれていますが、決して遠い存在ではありません。
なぜなら、私たちが今生きている世界は、呪いにあふれているからです。
今の世の中は呪いのオンパレード
SNSではときどき「炎上」が話題になります。誹謗中傷に罵詈雑言。まさに呪いのオンパレードで、多くの人たちが日々、呪いを生成しているように見えないでしょうか。また、新型コロナウィルス感染症対策としての自粛要請から生まれる閉塞感も、無関係ではないでしょう。
思うように行動できないことや、同居家族以外の人と接触しづらいことなど、日常を制限されることに対する不満要素が世の中に蔓延しており、それも呪いの温床となっているかもしれません。
みんながこの漫画にハマっていくのは、それだけ呪いを身近に感じているからかもしれません。そう、よく考えてみると、「呪い」のもとはもっと身近にあります。それは、自分自身のコンプレックスであったりもします。また、吐き出せずに重く積み重なった、悩みだったりもします。
『呪術廻戦』は、この部分がとてもよく表現されている作品であり、負の感情を力に変えるためのヒントが詰まっています。ここでは、特にビジネスやキャリアを考える際の指針となるような、強い言葉を紹介しましょう。