“新垣結衣ショック”で仮想通貨が110兆円大暴落。34億円溶かした企業も出た、恐るべきジンクス
「今回は仮想通貨がやられたか……」――。2021年5月19日夜、多くの投資家がため息を漏らしました。
くしくも、その日の夕方は新垣結衣さん、星野源さん結婚のニュースが駆け巡ったばかり。コロナ禍において久しぶりの明るいニュースに人々は沸きましたが、相場関係者の間では、有名人が結婚を発表してファンを失望させると、その悲しみを受け止めて日経平均株価が暴落するという噂があります。
今回の結婚発表があったのは、東京証券取引所が売買を終える大引けの後。翌日の取引に警戒する空気が流れるなか、ガッキーショックを受け止めたのは仮想通貨でした。
仮想通貨取引所がダウンするほどの威力
ビットコインは19日に一時30%超下落しました。イーサリアムは40%、ドージコインは45%もの急落に見舞われました。ドージコインに100万円を投資していたとすると、一晩で55万円になったことになります。
世界最大の仮想通貨交換業者であるバイナンスは、トラフィックが急増したことを理由にイーサリアムの引き出しを一時停止する措置に出ました。その他、主要暗号通貨取引所のコインベース、ジェミニ、クラーケンも複数の不具合を報告しました。突然の急落に取引所が追い付かない事態となったのです。
ガッキーショックは、仮想通貨の時価総額1兆ドル(およそ110兆円)を一瞬にして吹き飛ばしました。
ビットコイン暴落で34億円を溶かした企業も…
この影響は企業にも広がっています。オンラインゲームなどを提供する韓国系企業ネクソンは、4月28日に111億円相当のビットコインを取得したと発表しています。取得価額は644万6183円。5月21日時点では437万円前後で推移しています。資産価値は1か月もたたないうちに30%減少しました。34億円を溶かしたことになります。
米自動車メーカーのテスラ社は車を購入する際のビットコインの使用を認めないとして下落の片棒を担ぎましたが、ビットコインそのものは今も継続して会社が保有しています。同社CEOのイーロン・マスク氏は5月19日、Twitterに「テスラは(ビットコインを表す)ダイヤモンド・ハンズを持っている」と投稿し、保有分を売却しないことを示しました。今回の暴落により、取得価額を割り込んだとみられています。
Tesla has
— Elon Musk (@elonmusk) 2021年5月19日
これほどまでの影響を与えた、この「〇〇ショック」は本当に存在するのでしょうか。過去の事例と照らし合わせて検証してみます。