新人向けマナー研修はカスだった「新入社員は一番早く出社すべきって、なんで?」
多くの企業で取り入れられている新入社員研修。新卒、中途に限らず、新入社員であれば、誰しもが受けなければならないとして多くの会社で必須化されています。
しかし、なかには「こんな研修、本当に必要なの?」と眉をひそめたくなる研修も少なくありません。今回は、そんな“トンデモ新人研修”を経験したという、某メディア企業に勤務している佐々木琴美(仮名・23歳)さんに話を聞きました。
外部のマナー講師による研修だった
その会社の内勤として入社した佐々木さん。研修ではまず、社内の一番大きな会議室に佐々木さん含めすべての部署の新入社員が一同に集められたそうです。
そして扉を開けて会議室に登場したのは、ビシッとした身なりのマナー講師。会社の先輩や上司などではなく、まったく関係のない外部のマナー講師による“ビジネスマナー研修”が始まりました。
「その方は最初にまず自己紹介をしました。マナー講師が来ただけでも疑問だったのですが、まったく違う業種のキャリアを持つ人が来たことでさらに『これはハズレ研修かな』と思いましたね」
このマナー講師の研修を受けることに一抹の不安を感じたという佐々木さん。それは講師の次の言葉で確信に変わります。
「今、できていないこと」とは?
「私たちを眺めて『皆さんがすでに今、できていないことがあります。それはなんでしょう?』と言いました。突然のクイズ大会にみんなが困惑していると『皆さん、今メモを取っているでしょうか。誰も取っていませんよね。今メモを取らない人は、仕事中も絶対にメモを取らない人です』とドヤ顔で言い切ってきたんです」
「マナー講師」というタイトルのシチュエーションコントのような状況は失笑ものですが、これはコントではなく現実。佐々木さんは心の中で「いやいや、仕事中に大切なことを教わっている時は普通にメモ取るから」とツッコミを入れたといいます。とはいえ、新入社員たちは慌ててメモを取り出します。
きっとマナー講師は、この一連の流れを何度もやってきているのでしょう。佐々木さんがしぶしぶとメモを取り出しながらチラっと前方を向くと、「これでよし」とでも言いたそうな講師の満足そうな表情が目に入ったそうです。