日銀のETF買いルール変更で上がるお宝株8銘柄。リクルート、紀文食品etc.
日銀による年間12兆円にも及ぶETF買いで日経平均は3万円を突破したが、その「買い入れルール」を突然変更。しかし、制度の変更で新たなチャンスも生まれてきた。新たな“日銀砲”で恩恵を受けるのはどこか?(※株価などのデータは4月16日時点)
年6兆円のETF購入目標を撤廃…意図は
コロナ禍でも堅調な株式市場に不穏な材料が出てきた。これまで日銀は、株価が下がるたびに、1回500億~700億円のETF買いを繰り返してきた。TOPIXの前場終値で前日比0.5%安が午後に買い出動するサインだった。
ところが日銀は3月19日に「買い入れルール」を見直し、これまで年6兆円としていたETF購入の目安を撤廃し、日経平均に連動するETFを購入対象から除外した。変更後は買いのペースを緩め、4月に入るとTOPIXが下げている日も買いをやめてしまった。
日経平均は今年2月に3万円を突破し、バブル後の最高値を付けた。デフレ不況時の緊急対策として日銀がETF買いを決定したのが、2010年11月。当時の日経平均は1万円割れの超低水準だったが、今年2月にバブル崩壊後最高値の3万円台へ急上昇し、日銀マネーによる押し上げ不要論が出てきた。一方、日銀が保有するETF残高は今年3月末に推計50兆円に膨張し、今では日本最大の巨大ファンドになってしまったのだ。
なぜ日銀は日経平均型ETF買いをやめたのか
楽天証券経済研究所チーフ・ストラテジストの窪田真之氏は日銀の意図をこう指摘する。
「日銀がETF買いを縮小すると言い出せば、株価暴落を招きかねません。そこで年6兆円の購入目標の縛りをなくしました。12兆円の買い入れ上限は残りましたが、これは『急落したときは大量に買う』というメッセージを送り、市場の不安を生まないための配慮でしょう」
日銀は日経平均に連動するETFの買い入れを中止。今後はTOPIX連動型だけを買うことにした。日銀は明言しないが、日経平均型ETFの購入を続けられなくなったというのが市場関係者の間で公然の秘密となっている。日銀事情にも詳しい株式ジャーナリストの大神田貴文氏はこう明かす。
「日経平均が3万円前後の高水準で一進一退を続ける中で、下落した日だけETFを何度も買えば損益分岐点が上がり、含み損転落リスクが増すためと見られます」