耳コピ即興ピアノが反響。ハラミちゃんが語る、コラボしたい「大物演歌歌手」
2020年、ストリートピアノを演奏する動画が一気にバズった。即興でピアノを弾くのは、ポップスピアニスト・ハラミちゃんだ。YouTubeをスタートしてから、約1年半で登録者数は112万人、総動画再生回数はなんと2億回を超える。
前回のインタビューでは、音楽大学に入学するも一度は音楽を諦めて、一般企業への就職。そして、引きこもりの毎日を経て、再び音楽の道に戻って来るまでを聞いた。その実は順風満帆な音楽人生を歩んできたわけでない。後編では、より深く聞いていく。
人生を変えた一冊の本との出合い
――会社を辞めて、ピアニストとしてやっていこうと思ったきっかけは?
ハラミちゃん:休んでいたときに読んだ一冊の本が大きかったです。じっとしていても、自分の性格は変わらない。だったら今の自分は何ができるだろうと考えたときに、向き合って自分をとことん知ろうと思いました。なぜこんな状態になってしまったのか、って。
その原因を知るためにたくさん本を読んで、気になったことをノートにまとめたりして。その中で1番心に残ったのが、『死ぬ瞬間の5つの後悔』(ブロニー・ウェア、新潮社)という本。そこには人が死ぬ直前で後悔するというのは、周りの環境や誰かに合わせたり、世間の目を気にしたりして、やりたいことをやれなかったことだと。
――自分が本当にやりたいことはなんだろうと考えたんですね。
ハラミちゃん:はい。そのときに浮かんできた映像が、小学校のときに体験した音楽教室での出来事だったんです。授業の休憩時間に音楽室にあるピアノに走っていって、みんなが私にジャニーズとかジブリの楽曲をリクエストして、即興で弾くとみんなが「すごーい!」って喜んでくれる。私はピアノを通じてコミュニケーションすることが、ありのままの姿でいられることに気がついて。もちろん不安はあったけど、思い切ってやってみよう覚悟を決めました。
バラエティ番組出演「すごく楽しかった」
――YouTubeを始めてから、約1年半で登録者100万人を超えたことについてはどう感じていますか?
ハラミちゃん:最初はYouTuberやピアニストになろうと思っていなかったので、数字だけが増えていって、自分がまだ追いついていない感覚がずっとあります。100万人という数字なんて遥か先の話だと思っていたので。実感がずっとないというか。
――最近ではYouTubeを飛び出して、テレビの音楽番組やバラエティ番組でも活躍されていて。広瀬香美さんと出ていたバラエティ番組『しゃべくり007』でみせた、ホリケンさん(堀内健)とのセッションはインパクト大でした。
ハラミちゃん:ほんとにテレビで自分のことを見てもフワフワしてるというか(笑)。『しゃべくり007』はずっと見ていた番組だったし、あの番組って台本がないんですよ。どんなことが起きても即興で応えられるように準備してましたけど、本番でホリケンさんはそれを飛び越えてきたので(笑)。すごく楽しかったです。