高校中退から30代で役員クラスに…転職で「年収2000万円」になった人の秘訣
「大卒のほうが生涯年収は高い」このように世間で言われるとおり、高卒よりも大卒のほうがどの年代でも給与が1.36倍高いというのが実情です(全年齢平均、令和元年賃金構造基本統計調査、厚生労働省)。
しかし、これはあくまで一般論。世界は広く、大学を出ていなくても大卒以上の給与を稼いでいる人は実際に存在します。今回インタビューした佐藤さんは中卒(高校中退)ですが、CTO(最高技術責任者)として38歳で年収は2000万円程度です。
佐藤さんは、首都圏の高等学校を中途退学した後に、クラブのDJとして働いていましたが、ふとしたきっかけから、プログラマーの道を目指し現在に至ります。どのようにキャリアを築いたのかを詳しく聞きました。
勉強の意味を見いだせず高校を中退
首都圏の中流家庭に生まれた佐藤さんは、中学までは進学校に通っていましたが、高校受験に失敗して以降、勉強がつまらなくなり学校にも通わない日が多くなりました。
オートバイのカスタマイズやサーフィンに明け暮れて過ごすなか、ますます学校に通わなくなり、最終的には高校を中途退学してしまいます。親との関係も少しずつ悪くなり、高校の中退とほぼ同時に家を出ることになりました。
「親が褒めてくれるからとか、成績が良かったからなどの理由で勉強していましたが、もともと好きだったわけではないんですよね。受験に失敗して何かが切れたというか。逆に好きなことは時間を忘れて取り組めるタイプなので、オートバイやサーフィンに夢中になってましたね」
HP作成担当者として初めてITの世界に
高校を中途退学した後の3年間は、アルバイトをしながらサーフィンやクラブのDJ活動を行っていました。DJイベントでは、「フライヤー」と呼ばれる小さなチラシ広告を配りますが、パソコンにも興味があった佐藤さんは、フライヤーを自分で製作するようになります。
友人のDJからも作成依頼を受けるうちに「佐藤はITができる」という印象が仲間内で広がっていきました。そんな印象からか、ある日、知り合いからHP製作という仕事を紹介されます。
「フライヤーを作ったりするのは楽しかったですね。支払いはお金のときもあれば、欲しいレコードをもらったりもして(笑)。(2000年前半の)当時はITを知らない人たちからすると、“パソコンができるやつ=HP作成もできるはず”というイメージでHP製作の仕事を紹介されたんだと思いますが、製作の仕方は全然知らなかったですね(笑)。HP製作の仕事も求人媒体で公に募集をかけるというより、知り合いづてで探すことが今より多かったのかなと思います」