うなぎ屋で「松竹梅」の「竹」を選んでしまう心理効果
メールや企画書、あるいはちょっとしたチャットでのやり取りなど、ビジネスマンは毎日のように文章を書いています。当然、それの出来不出来があなたの仕事の評価を左右することもあります。ビジネスマン必須のWeb文章ノウハウを知って、ライバルと差をつけるためのこの連載。
今回も『稼ぐ人の「超速」文章術』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)著者である中野巧さんに話を聞いた。トヨタやソニー、三菱UFJ銀行などの社員や幹部も使う「エンパシーライティング®」は、中野さんが開発した、結果と共感を生み出す独自の文章術。販売力を伸ばす「効果的な価格設定に関する心理効果」とは──
文章作成の意外なアイデア
前回の記事では、文章に効く「5つの心理効果」として、
1. プライマシー効果(初頭効果)
2. リーセンシー効果(最新効果/親近効果)
3.「見出し効果」
4. ツァイガルニック効果
5. ハロー効果
をお伝えしました。今回は、もう1つの効果的な施策として「価格の心理効果」についてお伝えします。
「価格戦略」ビジネスの価値が宿る
ある日、ピカソがマーケットを歩いていると、大ファンだという、見知らぬ女性がピカソを呼び止めました。そして、こう話しかけてきたそうです。「この紙に絵を描いてくれませんか?」。
ピカソは彼女に微笑みを浮かべ、小さくも美しい絵を描き、彼女へと手渡しながら言いました。「この絵の価格は、100万ドルです」と。女性は驚いて言いました。
「100万ドルって、ピカソさん、あなたはこの絵を描くのに、たったの『30秒』しかかかっていないのですよ?」
ピカソは笑いながら、こう言いました。「30秒ではなく、30年と30秒ですよ」。
ピカソのこんな逸話、もしあなたが、フリーで活動されている方であれば、グッと響くエピソードかもしれませんね。実は私、独立した当初は「自分にお金をもらう価値が自分にあるのか?」と、とても不安でした。