ジャルジャル後藤淳平に聞く。『めちゃイケ』レギュラーでも「ブレイクしてない」
お笑いコンビ、ジャルジャルの後藤淳平さん(36)が、単独初主演を務める映画『ロックンロール・ストリップ』が公開中。木下半太監督が自伝的小説を自ら映画化した本作。
売れない劇団の座長をしながら、映画監督になる夢を抱いてもがいている主人公・勇太の、下積み時代を見つめた青春物語です。
20代で人気番組『めちゃ²イケてるッ!』(フジテレビ系)のレギュラーとなり、『M-1グランプリ』ほかさまざまなコンテストで優秀な成績をおさめてきたジャルジャルですが、後藤さんは、本作の主人公の下積み時代に「共感した」そう。そんな後藤さんの芸人としての軌跡から、20代で結婚を決めた理由などを伺いました。
「一生このままなんちゃうんか」と思っていた
――主人公は監督が下積み時代の自分を投影した青年です。後藤さんはコメントで「自分と重なる」とお話されていますが、ジャルジャルは20代の頃から売れていたので、「下積み時代なんてあるのかな?」という印象なのですが。
後藤淳平(以下、後藤):もちろん、ありますよ! 吉本は養成所が1年あって、卒業しても事務所に所属できるわけじゃないんです。まずは若手が出る劇場に出演するためのオーディションに月イチで参加するんですが、そこで勝ち上がったメンバーによる決勝戦があって、上位2組に入れたら、劇場に出ているレギュラーメンバーと入れ替え戦になる。そこで負けるとまた一番最初から。出演できる確率はかなり低いんです。
当時、僕らは大学生でもありましたが、人の前でネタをやる機会がないので、自分たちで場所を押さえて手書きのチケットを手売りして、インディーズライブをやっていました。でも人はなかなか集まらないし、オーディションにも受からない。「一生この生活なんちゃうんか」という日々が続きました。
どうせ一生やるんだから
――本作の主人公はストリップ劇場で芝居をします。後藤さんもこんな厳しい場所でネタを披露したといった思い出はありますか?
後藤:営業に行けるのは所属したあとなんです。だから、パチンコ屋でも誰もいないショッピングモールでも何でも、営業に行けるというのは、もう結構売れている証拠です。だから厳しいというより、むしろ幸せなんですよ。不安だったのは、まだどこにも所属できていない、何者でもない頃。そこが本作と似ていて、主人公に共感しました。
――今回、そうした頃を思い起こされて、新たにした思いはありますか?
後藤:あのとき、いろいろあがいていて良かったと思っています。当時は先が見えなすぎて、相方(福徳秀介)と「どうしたらええねん。トリオにしたらええんちゃうか?」と話したこともありました。でも、「一生芸人をやると考えたら、結果が出せていない今というのも、人生のほんの一時期でしかない。どうせ死ぬまでやるんだから」と思ったら楽になったんです。いまだにその技は使います。