プロ野球界も学ぶべき「コロナ対応の優等生」台湾プロ野球のスゴい対策
コロナ対策の優等生といえば、台湾。いち早く徹底した水際対策を行い、感染拡大を最小限に食い止めた。マスクの配給制度も整っており、現在は薬局などで保険証を提示すると「14日間で9枚(子供は10枚)」まで定額で購入でき、6月1日からはメーカーの自由な販売も解禁された。
さて日本のプロ野球は練習試合を経て、6月19日から無観客で開幕することになったが、台湾プロ野球(中華職業棒球聯盟、CPBL)ではすでに4月11日から無観客で開幕している。
5月8日には1000人、5月15日には2000人、そして6月7日にはソーシャルディスタンスに配慮している前提のもと、制限が撤廃。段階的に観客数に入場制限をかけながら、“ウィズコロナ”での運営を進めている。
台湾プロ野球には5球団が加盟しているが、そのひとつで2019年に楽天が買収したことでも話題になった「楽天モンキーズ」で働く日本人職員の礒江厚綺氏(29歳)に現地の様子を聞いた。
夜市も通常営業に
台湾の学校や会社はほぼ平常通りで、街中の様子も平穏だという。
「焼き小籠包などの屋台が並ぶ台湾名物「夜市」も平常通り開いています。ただし人通りは以前よりも少なく、ほとんどの人がマスクをしています」(礒江氏、以下同)
楽天モンキーズは、5月24日には桃園国際野球場でホーム初試合を行い、統一セブンイレブン・ライオンズと戦った。惜しくも5-7で敗れたが、選手やファンからは「野球ができて良かった」など喜びの声が届いた。ちなみに桃園国際野球場は、台北の空港「桃園国際空港」からも近い。
入場時に体温検査と実名確認が必要
ホームスタジアムの収容人数は最大2万人だが、前述の通り入場できるのは4割程度。当初は政府からの通達で室外は1メートル以上のソーシャルディスタンスが求められたが、徐々に緩和されている。入場時にはサーモグラフィーによる体温検査に加え、実名確認が必要だ。
「ホーム開幕戦では席と席の間は左右1席を空けて、前後1席も空けました。家族や夫婦は隣り合ってもいいルールですが、基本的に座席を離れることはできません。友達同士だと少し離れてしまいますね」
ファールボールを追いかけたり、ハイタッチをするなどの行為は不可。得点シーンや緊迫した場面では立ち上がる人はいたが、例外なく全員がマスクを着用していた。