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20代の自民党支持率はなぜ高い?「相対的にマシ」の声も

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 2019年7月に行われた第25回参議院選挙。開票後は、戦後2番目に低い48.8%という投票率や、「れいわ新選組」と「NHKから国民を守る党」といった新興勢力が比例区で議席を獲得したことが大きく報道された。

自民党

※画像はイメージです(以下、同じ)(C) Sakuragirin

 自民党、公明党、日本維新の会に与党系無所属を加えた“改憲勢力”の議席は、改憲の国会発議の条件である3分の2には届かなかったものの、なかでも話題になったのが「若者の自民党支持率」の高さだ。

 共同通信社が7月21日に行った出口調査によると、比例代表で自民党に投票した割合は、20代でもっとも多く41.1%、続いて30代の40.6%となった。また10代は38.2%だった。

 早稲田大学現代政治経済研究所が2017年7月3日~8月7日に、読売新聞社と共同で行った調査結果によると、若い世代ほど自民党支持者が多く、「リベラルで革新的な政党」と捉えているそうだ。

自民党は「相対的にマシ」

 今回話を聞いたKさん(27歳・男性・フリーランス)は有権者となってからはほぼ毎回投票に行き、自民党に投票しているという。その理由はずばり、「相対的にマシだから」と話す。

「“他の政党と比べて、政権担当能力があると思うから”という一言に尽きます。立憲民主党はほぼ旧民主党政権で悲惨だったというイメージがあるし、その他の政党の政権担当能力について深く考えたことはないけど、経験の差が大きい。あとは改憲賛成派なので、単純に票の上積みをしたいから毎回投票しています」

 とはいえ、自民党に本気で希望を持っているかと聞くと、「そうでもないです。抜本的な改革がどこまでできるかは懐疑的かもしれません」と答えた。改憲賛成派という明確な支持理由はあるものの、やや消極的な理由で選んでいるようだ。自民党に期待していることとは何なのだろうか。

「ビジョンや数値目標のある政治を求めます。あとは対米追従ではなく、新しい時代に足した独自の外交的ポジションを構築してほしい。各政策については野党にも是々非々で対応して、建設的な議論をしてほしいと思っています」

現政権支持というわけではない

男性

 次に話を聞いたのはOさん(22歳・男性・大学生)。彼もまた投票権を得てからは毎回投票所に出向いているという。

「基本的に毎回自民党に投票しています。やっぱり、自民党以外の政党は実行力がないと思うんです。でも正直なところ、今回は大学生活が忙しくてあまり選挙のことを考えていなかったので、とりあえず入れたというのが大きいかも。

 ただ自民党に入れたからといって、現政権はあまり支持していません。今後どんどん変わっていく社会の情勢やシステムにもっと上手く対応していってほしいと思います」

 先ほどのKさん同様、具体的な政策内容というよりは、“ぼんやりとした”政権としての能力を支持していることがわかる。

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