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「ちょっとコピーしてくれない?」を英語で正しく言うには

コラム

 学校の英語の授業でAsk a favorという表現を学んだのを覚えていますか? Can I ask you a favor?という文章で暗記したかもしれません。

楽しむ英会話

「お願いごとを頼んでもいいですか?」という意味ですね。「ちょっとお願いがあるんだけど」というふうに気軽に使えそうな表現です。しかし、「Favor=お願い」というイコールの関係に必ずしもならないのをご存知でしょうか?

【第36回】favor(お願い)の使い方

 例えば会社で上司から「ちょっとお願いがあるんだけど、明日までにプレゼンの資料のアップデートをしておいてくれないかな」と言われることがありますね。「ちょっとコピーしてくれない?」という雑用から「代わりに電話会議に出てほしい」という重要なお願いまで、色々あるでしょう。

 しかし、そんな時に上司がCan I ask you a favor?とはあまり言いません。

 その理由は、Favorに、そもそもインフォーマルな意味で個人的な意味があるからです。上司が部下に何かの仕事を与えるのは職責の一部であり、また部下にとって与えられた仕事をこなすことも職責の一部。日本語では「お願い」という風に柔らかい表現を使ってはいますが、実際には「命令」に近いものです。

 Favorに隠された意味は、Give and takeがあり得る、もっと個人的なもの。個人の優しさや気遣いをもとに、何かを他人のためにしてあげるのがFavorです。

Give and takeの関係が大事

交渉

※画像はイメージです(以下同じ)

 英語でIf you scratch my back, I will scratch yours.という表現があります。「あなたが私の背中を掻いてくれたら、私はあなたの背中を掻いてあげます」が直訳。言い替えれば、Give and takeです。Reciprocal(相互の・返礼の)という形容詞でも表現できるでしょう。

 やや癒着に似た印象もありますが、持ちつ持たれつの関係です。そう考えると、なかなかビジネスのシーンでFavorが使われない理由が見えてくるのではないでしょうか?

 しかし、例えばバイト先で「急に用事ができてしまったから、17時からのシフト代わってくれない?」と友達に頼む時などはFavorですね。相手は友達ですからインフォーマルです。

 また後日、その友達が似た状況になったらきっと手助けをしようと思うでしょう。Give and takeの関係が存在します。こんな時には、Kana, Can I ask you a favor?と使うことができます。I have a favor to ask you.と言ってもOKです。

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