「死体処理の仕事もした」元暴力団の異色俳優が語る、波乱の半生
コワモテな悪役俳優を専門に扱う芸能プロダクション「高倉組」をご存知だろうか。本物の元アウトローが所属しているという「リアル志向」が話題を呼び、昨年はCNNから密着取材を受けるなど、海外メディアも熱視線を送る芸能プロなのだ。
そんな海千山千の悪役俳優らを揃える高倉組において、ひときわ異彩を放っているのが、元ヤクザというガチンコな経歴を持つ或布理萬(あるふ・りまん)氏(45)である。
20年近く身を置いた裏社会との関係を完全に断ち切り、IT系の会社経営をしながら、今年4月から放送中のドラマ『ストロベリーナイト・サーガ』(フジテレビ系)への出演も果たす或布氏。その波乱に満ちた自身の半生と、コワモテな外見からは想像もつかない意外な一面まで、包み隠すことなく語ってくれた。
「ツラいことばかり」ヤクザ時代の思い出
――ヤクザをやっていた当時、大変なことや苦しいことが多かったのではないですか。
或布理萬:ほとんどがツラい思い出ばかりです。僕が組織のタコ部屋に入ったばかりの頃、どこの誰ともわからない死体が運ばれて来て、その処理を兄貴分の命令で強制的にやらされているヤツもいました。
――それって犬や猫とか動物じゃなくて!?
或布:人間の死体です。処理をやらされていたヤツは根が優しい人間でした。そのせいもあってか、作業の途中で「赤の他人なのに泣きそうになるんだ」と言っていたのが忘れられません。
――想像しただけで悪寒が走ります。死体の処理方法って、人里離れた山中に埋めたり、海に遺棄するってことですか?
或布:いや、詳細は伏せますが、死体にある特殊な加工をすると聞いた事があります。その状態で処理すれば、人間の体は頭のてっぺんからつま先まで跡形もなくなる。原型がなくなるので後々めくれる(バレる)心配もないんでしょうね。
「こう見えてサブカル系が嫌いではない」
――なるほど、話題を変えましょう……。裏社会にいた頃は、どんなことでお金の稼いでいたか教えてください。
或布:僕はまだYouTuberなんて名称がなかった頃から、インターネットの動画投稿サイトに、自分の刺青を撮影した動画をアップして、広告収入を得ていました。あの当時は、僕みたいにネットをシノギ(経済活動)にしているヤクザは珍しかったと思います。
――なんか目の付けどころが普通のアウトローではないですね。
或布:20代の頃から「インターネットの時代が必ず来る」と確信していました。でもヤクザをやっている時は「ゲーム遊びしてんなよ」と、兄貴分によく怒られたもんです。だから、いちいち説明するのも面倒くさいし、動画の儲けは組織に内緒でした。それに報告したところで、稼いだ収益を丸ごと持っていかれるのがオチですから。
――組に内緒の商売がYouTuberだったんですか。
或布:実はこう見えてサブカル系が嫌いではないんです。例えば、艦これ(艦隊これくしょん)は僕の好きなゲームのひとつで、特に島風はお気に入りのキャラクターです。それと「GODIUS(ガディウス)」という昔流行ったオンラインRPGもやり込んだ時期がありました。まあ、ガディウスに関しては、結構いいシノギにもなっていたので。