レオパレス、謝罪会見を招いた“界壁問題”とは?
あらゆる業界の裏側に密着するドキュメンタリー番組の『ガイアの夜明け』(テレビ東京)。
番組では、これまでに賃貸アパート大手、株式会社レオパレス21(以下、レオパレス)や、株式会社スマートデイズの「かぼちゃの馬車」などのサブリースに関する問題をスクープ。
レオパレスは2月7日に記者会見を開き、建築基準法違反などの疑いがあるアパートが最大で1300棟見つかったと発表し、謝罪しました。これに先駆け、5日の同番組ではレオパレスが引き起こした「界壁問題」のその後を特集していました。
社内基準では「問題なし」判断。しかし実態は…
界壁とは共同住宅など各住戸の間を区切る壁のこと。騒音や火災予防のため、居室部分、天井裏部分、小屋裏部分まで達するように界壁を設けなければならないと、法律で決められています。
しかし、レオパレスが建てた物件では、天井裏の界壁がない物件や、隙間が空いている物件が数多くありました。
番組は、界壁問題に悩むレオパレスのオーナーを取材。一度は「改修の必要あり」と判断された界壁を、レオパレスは社内の判定基準で「改修の必要がない」と一方的に判断。このオーナーは、市役所に間に入ってもらうことで、立ち入り検査を実施しました。
問題発覚直後、レオパレスは昨年の記者会見にて、事実を認め、全国の物件を調査し、補修工事を実施すると公表。それから半年が経ち、約1万5000件の物件のうち、9割以上で調査を完了したと同社は報告しています。
しかし、全国のオーナー組織が立ち上げた被害者の会は「(調査が)完全に終わったのは、一棟もまだない」と、会社側から送られてきた資料を提示しながら、説明しました。
会社は事実を知りながら経営陣は把握せず!?
まもなく放送です!【マネーの魔力 第3弾】。
前回放送直後から取材は始まっていました。
改ざんに手を染めた業者と、金融機関の危うい関係。
そして、あの「界壁問題」の新たな疑惑と検証。
不動産投資を舞台にした、425日に渡る取材の結果です。
今夜は、
お見逃しなく!#ガイアの夜明け pic.twitter.com/RlfNI302Ae
— ガイアの夜明け 番組公式ツイッター (@gaia_no_yoake) 2019年2月5日
疑惑は他にもあります。レオパレスは緊急記者会見を行った際、界壁不備を把握した時期は「2018年3月~4月」と説明していました。
しかし、2011年時点で、賃貸借契約の解除通告されたオーナーが提訴した際に、裁判では界壁が存在していない事実が明らかになっています。その後、レオパレスは、オーナーに和解金を支払って解決していました。
会見にて、「以前から問題を把握していたのでは?」と記者に問われた田尻和人取締役は「経営者レベルまで報告は上がっていなかった」と説明しました。しかし依然として疑問は残ったままです。