東出昌大に憧れたけど…男性モデル業界の現実「25歳すぎると仕事がない」
世の中には、「もっと身長が高ければ……」や「かっこよくなりたい……」と嘆く男性が多いなか、反対に「高身長」で、なおかつ「イケメン」という、恵まれた資質を持つ人もいます。
取材の待ち合わせ先となった渋谷駅に現れたのは、身長185cm、彫の深い顔立ちでTheイケメンと呼ぶにふさわしい武島隼人さん(仮名・27歳)。都会の喧騒の中でも一際目立つ武島さんですが、それもそのはず、彼の職業は「モデル」です。
阿部寛を始め、最近では東出昌大や成田凌など、モデル出身の俳優が台頭していることもあり、“モデル”になりたい若者も多いことでしょう。しかし、第一線で活躍するのは一握りの厳しい世界。武島さんも、その厳しい環境に疲弊しているそうです。
「モデルを諦めて就職しようか迷っています」と話す彼に、華やかな世界の裏側を聞きました。
25歳を過ぎると、事務所から干される
19歳からモデルを始めた武島さんは「海外のファッションショーを歩くこと」そして雑誌『メンズノンノ』に出ることを夢見てモデル活動を始めました。モデル歴は8年で、これまでに出演したショーは5本、広告出演はCMを含めて6本、雑誌には一度出たことがあるそうです。
「この仕事は僕たちが商品です。人間は老いていく一方なので当然、売り時があります。その売れる時期に、いかに仕事を獲ってこれるかにより、25歳以降の活動範囲が決まります。僕はご覧の通り、まったく仕事ができませんでした。この年齢なら、若いころは雑誌の常連、広告やファッションの仕事を毎月やっている人が勝ち組ですかね」
25歳というと、世間的には若い部類に入る年齢です。しかし、「モデルの世界では違う」と武島さんは話します。
「25歳はもうおじさんです(笑)。18、19歳あたりの若い子がゴロゴロいる世界ですし、高校生もいます。もちろん人によるのですが、僕が所属する事務所では、19歳から24歳くらいのモデルが一番旬と呼ばれる時期ですね。
先ほども言いましたが、この旬の時期に雑誌や広告、ショーの仕事をいかにこなせるかが大切で、ここで満足に仕事ができない人材は事務所から見捨てられます。それが僕なんですけどね……。オーディションには、たぶん300回くらい落ちていると思います」