――雅哉は、患者と向き合ううちに非常に過酷な状況におかれます。三浦さんならあの状況は……。

三浦：受け止められないんじゃないですかね。結局、僕はそうした状況になったときに、辞めたので。きっと受け止められないだろうなと思います。監督にとっても、僕にとっても、雅哉は希望なんです。だから憧れを持って演じていた部分はあります。

インドアでネガティブ。「人前に出るのは苦手です」

意外にもネガティブ…!?

――三浦さんは俳優の道を選ばれたわけですが、こうしてキャリアを積まれてきて、俳優業を辞めたいと思った瞬間はありますか？

三浦：あります、あります。プレッシャーがすごくて。ただ、何の仕事をしていてもそれはそうかもしれませんね。それに僕はもともとがインドアでネガティブな人間なので、人目に触れるのも得意じゃないですし。

――インドアでネガティブでも役者をやっている、そのことに矛盾を感じたりは？

三浦：そうですねぇ。矛盾しか感じないですよねぇ（苦笑）。芝居って、ある意味で自分を表現することだと思いますが、でも実は表現なんかしてなくて、ただ脚本のセリフを喋っているだけという部分もあるんです。

　気持ちを込める必要が、そもそもないというか。監督がオーダーしてきたことと、脚本家が命をかけて書いたセリフを言うだけで、伝わるはずなので。