「30代には絶望しか待ってない」俳優・三浦貴大、若者へ独特すぎる一言
『RAILWAYS 49歳で電車の運転士になった男の物語』『ローリング』『進撃の巨人』などの三浦貴大さん(32)が、患者と真摯に向き合う理学療法士の主人公を演じたヒューマンドラマ『栞』が公開中です。
大学時代はスポーツ健康科学部で、精神保健福祉士を目指していた三浦さん。主人公の置かれた環境が分かるからこそ、大変だった本作への取り組みについて、また、三浦さん自身の俳優としての考えを聞きました。
そして読者には「30代には絶望しか待ってません」との驚きのメッセージが?
監督の思いをそのまま表現できれば
――ズシリとくる作品でした。元理学療法士の榊原(有佑)監督が脚本を書かれ、撮られた作品ですし、とてもリアリティがあると思います。三浦さんは、どんなことを大切にしたいと思われましたか?
三浦貴大(以下、三浦):かなりヘビーな物語なので、まずはこの脚本をどういう人がどういう思いで書いたのかを知りたくなりました。
そこでオファーをお受けする前に、監督とお話する機会をいただいたんです。いろんなお話をして、監督の作品にかける思いを伺い、僕はとにかく監督の思いをそのまま表現できればと思いました。
――監督から、こうした理由から三浦さんにお願いしたいといったお話はあったのでしょうか?
三浦:「理学療法士という仕事に対して理解がある人であること」でした。僕自身、大学時代に精神保健福祉士を目指して勉強していましたし、病院で実習経験もあります。レスキューもやっていました。理学療法士の知り合いもたくさんいます。
「命と向き合っていた経験から、主人公の雅哉にぴったりだから、ぜひやってもらい」たいと。それを受けて僕もぜひとなりました。
自分に近しい人物を演じる難しさ
――三浦さん自身が、知識を持っているからこそ、役に入っていくのが逆に難しかったといったことはありませんでしたか?
三浦:確かに、命に対する話を重く受け止めすぎるきらいはあったかもしれません。まったくそうした経験がなければ、想像のなかでの芝居になりますが、経験があるからこそ、果たして芝居なのかというところになってしまう。
――経験からくる感情に引っ張られてしまうということですか?
三浦:そうですね。例えば雅哉がある話を聞いて悲しんでいたとして、僕だったら怒りが出てしまうなとか。ちゃんと芝居をしないと、経験があるからこその感情が出てきてしまう危険性があるんです。自分に近しい人物を演じるというのはすごく難しいです。