20代にとっての「投資」は収入以外のメリットも

　収入を増やすとなると、もうひとつ思い浮かぶのが「投資」という選択肢。そのままお金に繋がるというのはもちろんですが、山崎さんは「経済の成長を自分のお金の成長の力に変えることができるのが投資です」と話します。

「一般的には初めに大金を投下しなければいけないと思われがちですが、実は、投資のハードルというのはだいぶ低くなっています。

　ネット証券で口座を作れば、スマホで申し込みは完了します。投資信託という仕組みを使うと、月100円から誰でも世界中の株式に投資することもできるんです。100万円なんかいらないのでまずは小さな金額での積み立てで投資信託を買ってみることをオススメします」

おすすめできない投資取引は？

ファイナンシャルプランナーの山崎俊輔さん

　その一方で、山崎さんは「むしろオススメできないのはFXで為替取引をすること」とも。

「スタートでまとまった金額が必要である一方、一日で1万円以上損することは簡単です。また為替は安定的に成長する保証がないのでなかなか儲からないのです。

　むしろ世界中の企業の株式を対象としたほうが、経済の成長はほぼ確実に実現することなので上手にお金を増やすことになります。また、少額でも投資をすることで経済とつながった当事者になれます。投資を始めると政治や経済など社会の動きに関心も生まれてくるので、仕事に役だつことも多いと思いますよ」

　さて、収入を増やすためのいくつかの方法を指南していただきましたが、山崎さんは最後に「若いうちはお金の失敗を味わっておくことも必要」と話していました。

　買い物の失敗、投資の損をした経験（ただし投資の金額は少なめにすること）をすることは、その後に必ず生きてくるとのこと。

　将来的にお金で失敗しないためには、できるだけ早いうちに良いことと悪いことを見極めておくのも大切。自分のキャリアなどを考えつつ、実践していきましょう。

＜取材・文／カネコシュウヘイ＞

【山崎俊輔（やまさき・しゅんすけ）】
AFP、消費生活アドバイザー。1972年生まれ、中央大学法学部卒。企業年金研究所、FP総研を経て独立。 難しいお金の話を分かりやすく伝える執筆や講演が好評。 近著に『共働き夫婦　お金の教科書』、『読んだら必ず「もっと早く教えてくれよ」と叫ぶお金の増やし方』など