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【マイルの神に聞いた】ロンドンタッチとは?トンデモ機上生活者、JALマイル修行で1週間に2回の荒技

コラム

パラダイス山元さんに聞きました

マイル獲得のノウハウを世に広め、関連著書も多数あるパラダイス山元さんにお話を聞いてみました。国内大手自動車メーカーのカーデザイナー出身で、マンボミュージシャン、餃子レストランオーナーシェフ、グリーンランド国際サンタクロース協会公認サンタクロース、エッセイ作家にしてANAのミリオンマイラー。著書の「パラダイス山元 飛行機のある暮らし」にて年間最多搭乗1022回の記録を紹介し、衝撃的な文壇デビューを果たしました。現在は、ANA機内誌「翼の王国」に「パラダイス山元の快適な空だけの旅」を好評連載中のマルチな才能を発揮するスーパーマン。同氏は、この紋別タッチを世に広めた人物でもあります。

パラダイス山元さん

壱岐空港にてオリジナルTシャツを着て(ご本人提供)

獲得の歴史

-マイル獲得の歴史を教えてください

「ミクシーでマイルについてつぶやいていた人が出始めた頃です。2004年のある日、搭乗した航空機で隣席に座った証券会社に勤める見知らぬ人にマイルの魅力を力説されたことがきっかけで貯め始めました。それまで1フライトすると1レグと言っていたマイル獲得の航空旅行を単純な往復ながら、飛行機をゲーム感覚で利用しようと思い立ち、単純往復することを『タッチ』と名付けました。最初の著書にこの言葉をちりばめ、普及させようともくろんだんです。」

現地で何かすることで縛られることを止めると、純粋にフライトを楽しむことができるようになり、とても気が楽になると達観した考えを披露してくれました。飛行機の中で、仕事ができるようになれば機内の過ごし方は随分充実すると言います。当初は、復路の機内で「お帰りなさい」と客室乗務員さんから迎えられていたのが、そのうち「お仕事はお済みですか」と変わるなど、客室乗務員の接し方も徐々にランクアップするのだとか。返す言葉を「ご無沙汰しています」なんて笑顔で言うと紳士的な上級利用者ですねと笑います。

当初は、身体の負担が少ないようにと一日一往復便のみの空港へ行っていたのが始まりだそうで、PBB(旅客搭乗橋)を使うのではなく、タラップで乗降できる空港へ向かい、到着するとすぐに目的地の空気を吸うことができる場所が理想とのこと。2021年は紋別タッチを盛り上げようと様々なアイデアを提供して1機の半分以上がタッチのお客さんという時期もありました。

一日の最大搭乗回数は13回ということで、トライした時は案外簡単に達成できて、もっと乗っていたいと思ったそうです。自身の最長距離タッチは、フライト時間が12時間を超えるミュンヘンとフランクフルトだそう。日本からの最長路線は帰路に14時間半かかるANA成田⇔メキシコシティ路線ですが、有償で最安値のチケットを発券したため宿泊を入れてしまったので、タッチですぐに帰国する挑戦は次回の楽しみにしていますとのことだった。

機内でくつろぐパラダイス山元さん

機内でくつろぐパラダイス山元さん(ご本人提供)

海外の実態

-海外にも修行僧はいるのでしょうか

「海外では、マイレージランナーと言います。どの国でも一定数の層がいますが、最近では中国人の挑戦者が多くなっています。」

修行の将来

-ご自身のマイレージライフはどのようになっていくと思われますか

「コロナ禍が収束に向かいつつある中で、急激に空席が少なくなってきて、いまでは少し挑戦し辛い環境になっていると思います。年間飛行回数記録も伸びていますが、搭乗記録をオープンにしないだけで、もっと飛んでいる人はいるようですし、年間3000回以上のフライトも出来なくはないです。

批判を恐れずに言えば、天候悪化に伴う「条件付き運航」を選んで搭乗したいですね。予測のできないスケジュールを楽しみたいですし、エアライン側がどのような対応をするのか興味があります。そして、究極は脱出シュートを使う場面に遭遇することができれば、経験になっていいのではないかと思います。死ななければ、正直どうなっても構いません。私にとってはイレギュラーはごちそうなんです。」と作家の好奇心をあらわにする一面も見せてくれました。

ANAフライングホヌ機の前でたたずむパラダイス山元さん

ANAフライングホヌ機の前でたたずむパラダイス山元さん(ご本人提供)

「飛行機は空席を残して飛ぶと二酸化炭素を無駄にばらまくことになります。われわれにできることはとにかくたくさん乗って搭乗率を高めて環境対策につなげることです。私は最近20㎏以上ダイエットして少しでも環境に負荷をかけないようにしています」と言って笑った。

「記録がマイルという成果として残りますので、青春18きっぷよりも楽しいですよ」と言い残したパラダイス山元さん。筆者もすぐに空港に向かいたい気分になりました。

<TEXT/北島幸司(航空ジャーナリスト)>

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航空会社勤務歴を活かし、雑誌やWEBメディアで航空や旅に関する連載コラムを執筆する航空ジャーナリスト。YouTube チャンネル「そらオヤジ組」のほか、ブログ「あびあんうぃんぐ」も更新中。大阪府出身で航空ジャーナリスト協会に所属する。Facebook avian.wing instagram @kitajimaavianwing

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