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ChatGPTが考えた4コマ漫画は笑えるのか?

コラム

ChatGPT インスタで人気の京都土産とその商品URLを10個教えて

 それに対するChatGPTの返答は、この通り。先ほどと同じく架空の商品や、存在しないURLが多いが、「祇園辻利」や「伊藤久右衛門」など、実在のブランド名も含まれている。

 とはいえ、残念だが、この結果ではリサーチの助けにはほとんどならない(後日ChatGPTはこのようなリサーチに向かないことがわかるが、この時点ではとにかく何でも試してみていた)。

それらしいことは言っているがフワッとしている

ChatGPT ライターの心得10ヵ条は

 この後も、日々、気づいたときにChatGPTに話しかけるようにした。例えば以下のような質問だ。

・ライターの心得10ヵ条は
・コンビニスイーツの衝動買いしたくなるキャッチコピーを30個考えて
・新作コスメの画期的なプロモーション施策を10個考えて
・クライアントの心に残るお礼メールの文例を教えて
・Webメディアが生き残るための次世代ビジネスモデルは?
・ChatGPTで作成した文章が著作権侵害しているかどうかを調べる方法は?
・囚人はなぜ男性が多いのか?
・宇宙の軍事化は必要か?

 どんな質問にも秒で答えてくれる。途中止まってしまっても「続けて」と入力すればすぐさま返答を再開してくれる。10個でも20個でも案が尽きることはない。作文の苦手な新人の数倍、日本語としてもきちんとした文章になっている。ジェンダーや政治的な話題をわざと振っても、差別的なことや暴力的なことは言わない。

 しかし、なかなか核心をついてこない。それらしいことは言っているが、フワッとしているのだ。そのまま使える画期的なアイデアを提案してくれたことはない。とはいえ、そこそこのものしか求められていない場合は、十分OKが出そうな返答も多い。

 この時点で筆者が思ったのは、「核心をつかないが及第点はこえる、どうでもいい文章が世の中に増えそうだ」ということだ。そして丸ごとではなくてもたたき台をChatGPTに作ってもらうことがスタンダードになると、0から自分で考えを構築していく能力が衰えそうで怖い、と思った。

 正直、この時点ではChatGPTに仕事が奪われる気が全くしなかった。

役割と条件を提示すると格段に精度を増すChatGPT

 その後、ChatGPTに詳しい同僚からアドバイスを受けた。役割と条件を提示するといい、と。そう言われれば、筆者は1-2行くらいの簡単な質問しかしてこなかった。満足いかない回答しか得られないとき、会話のキャッチボールをすることで精度をあげていく、という試みはした。それでも最終的に満足するような回答を得られたことはなかった。

 そしてこの後、筆者は衝撃を受ける。ChatGPTは使い方次第、とはこのことだったのか、と。それは、同僚のアドバイスをもとに、役割と条件を提示してChatGPTに4コマ漫画の原案を作ってもらったときに起こった。

ChatGPTに4コマ漫画の台本を考えてもらう

「貴方はプロの漫画家です。これからマイペースな若手ビジネスマンがキャラクターの4コマ漫画を作ります。下記の条件に従って4コマの台本を作成してください」。

そして、いくつかの条件を提示する。

・やたらハイテンションな同僚や、いつも不機嫌な上司が登場することもある
・言葉数は少なめ
・漫画なので、絵で伝えられる情報は言葉にしたくない

といった感じだ。

・マイペースなので、動きや喋り方が遅かったり、個性的な考え方をする。それを話のオチやフックにすることが多い
・マイペースなビジネスマンは、不機嫌な上司に怒られても、独特の解釈で前向きに捉えます

といった複雑な条件も理解できるのかは半信半疑だった。しかし結果は驚くべき理解度だったのだ。

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