32円のレモンサワーが衝撃の味わい。“驚安焼肉店”代表に聞く「安さの秘密」
失敗を経て“小さくても堅実な路線”に
2度の失敗があったのに、なぜさらに焼肉業態を出そうと思ったのだろうか。中元氏は「原点に立ち返ろうと思ったんです」と語る。
「僕は、起業した時はお金がなくていろんな方に助けてもらいました。その後、経営が軌道に乗って来てからは席数の多い店舗で『◯千万売り上げるぞ!』『100店舗目指すぞ!』とか思ってたんですが、この失敗を経て、まずは小さくても堅実で、お客様に来ていただけるお店を作ろうと思ったんです」
そうして2017年に誕生したのが「肉流通センター」。オープン以来、かなり話題になっている。
「ありがたいことです。ただ、僕は流行を作りたいとは全く思ってないんですよ。流行は過ぎ去って一気に落ちてしまうものなので、スタンダードを作りたいと思っています。だから、地域に根付いて何年も親しんでいただくお店が作りたいんです」
創業者が語るオススメポイントは?
世間には「安かろう悪かろう」という言葉があるが、中元氏が思う、安くても美味しいものを提供できるこだわりとは?
「当然、お肉の質にはこだわりがあります。うちの客単価は3000円なんですが、この価格帯で和牛のホルモンを出しているお店は少ないですよ。僕が会社を作って今年で13年になるんですが、そこで培ってきた信頼関係で業者さんから質のいいお肉を安く提供していただいているおかげです。
和牛の中でオススメの部位は、ミスジですね。都内で客単価8000~9000円になるような焼肉店で出しているのと同じお肉なので、とても美味しいですよ。なので、めちゃくちゃコスパいいと思います。それから、自信があるのはハラミ系です。特に上ハラミは美味しいですよ。この値段で出していることに驚かれる方も多いです」
肉以外で差別化をしている部分は「ハッピーアワーでお酒を安くしているお店は結構あると思うんですが、金土日は対象外っていう所が多いですよね。うちは、全営業日でハッピーアワーを実施しています」ときっぱり。
「今でこそ、昼飲みというワードを見かけるようになりましたが、以前は平日の17時~19時と土日の12~19時は、飲食店の売り上げが取りにくいというのが一般的な認識だったんですよ。もともと、そういった時間帯でも飲んだり焼肉を食べる文化を作りたいと思ったのも、この店を始めたきっかけだったので、金土日もハッピーアワーをやっています」
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スタンダードになるために、今後も店舗を急拡大せず物の質と人の教育に力を入れると中元氏。確かに筆者が来店した際も、網の交換やキャベツのお代わりなど、忙しいにも関わらずスタッフの方が目配りと気配りをしている印象を持った。激安で飲める焼肉店、未踏ならば1度味わってみてはいかがだろう。
<取材・文/Mr.tsubaking 編集/ヤナカリュウイチ(@ia_tqw)>