隠れてゲーム、無料券を転売…映画館の「モンスターバイト」不正行為の数々が
企業が優秀な学生にアプローチするために行う「学生インターン」。学生にとっては貴重な就業体験の機会ですが、なかには双方にとって“不幸なマッチング”が生まれてしまうことも……。「bizSPA!フレッシュ」で過去に掲載した記事の中から特に反響の大きかった「職場のモンスター大学生」にまつわる人気記事を再掲載します(初公開2019年8月28日、情報は掲載当時のものです)。
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みなさんは学生時代、なにかアルバイトはしていましたか? バイト先にはいろいろな人が集まりますが、肝心な場面ではハメを外さずに要領よく仕事をこなす人もいれば、とにかくラクをしようとして不正な行為に手を出してしまう人もいるようです。
今回話を聞いたのは、都心にある某シネコンでマネージャーとして働く柿本大希さん(仮名・32歳)。全国に展開しているため、数年に一度転勤があり、現在の職場を含め、4つの劇場で勤務したことがあるそうです。なかでも新卒で配属された劇場が良くも悪くも一番印象深い環境だったそうで……。
映画館のアルバイトは時給が安い
「映画館のアルバイトって基本的に時給が安いんです。僕が配属された劇場も、県内の最低賃金ギリギリクラス。それでも意外と応募はそこそこ来るんです。映画に関わる仕事がしたい人が多いんだなと素直に嬉しく思いました」
柿本さんが担当することになったのは“フロア”という部署。主な仕事はチケットのもぎり(入場口でチケットの半券をもぎ取る係)や場内の清掃、ゴミの分別などです。
「日中のシフトは映画好きの主婦が多く、社会人なりたての僕をまるで息子のように可愛がってくれました。記憶に残るようなトラブルを起こすのは決まって夕方から深夜にかけての遅番メンバーでしたね……」
映画館で遭遇した「トンデモ野郎」
有名大学のサテライトキャンパスを筆頭に近隣に大学が数校あり、遅番の大半は大学生でした。
「場所柄、週末は家族連れで賑わいますが、平日の夜ともなると、かなり閑散としています。そのため、僕ら社員も1人だけだったりするんで、どうしても監視の目が行き届かなくなるんです。求人に応募が絶えないもうひとつの理由が、好き勝手やっても構わない、ラクなバイト先という情報が近隣の大学の間で共有されていたと知るのは入社してすぐのことでした……。
チラシやスタンディ(ダンボールの宣材)が置いてある倉庫に用があり、何の気なしに入ってみると、なんと男性スタッフがダンボール敷いて寝ていたんです。注意しなきゃとは思いつつも、驚きのあまり声が出ませんでした。我ながら情けない……」