ユニクロ、2万円オーダースーツは安っぽい? ビジネススーツのプロが診断
のべ4000人を超えるビジネスマンの買い物に同行してきた「服のコンサルタント」の森井良行です。
カジュアルのユニクロがオーダースーツ!?
2016年1月の発売以来、話題の「オーダーメイド感覚で選べる」ストレッチウールジャケット(1万4990円)をご存知ですか? 同じ生地のスラックス(5990円)を合わせることで、袖・丈を調整したセミオーダーメイドのスーツとして着ることを想定した商品です。
発売から1年9か月が経った2017年9月、ユニクロは「オーダーメイド感覚で選べる」商品シリーズのリピート率が8割を超えると発表しました。のべ4000人を超えるビジネスマンの買い物に同行してきた服のコンサルタントである私が、ユニクロのオーダースーツを試してみました。
SUPER110ウール100%の価値
ユニクロのストレッチウールジャケットで使っているウール生地はSUPER110と呼ばれる番手でした。これは1キログラムあたりの糸を距離に換算したとき110メートルになるというもの。数字が大きくなるほど細い糸になるため、スーツに微光沢が出やすく安っぽく見えないのです。
20~30代をメインターゲットに据える「THE SUIT COMPANY」(青山商事)、オリヒカ(アオキ)、「SUIT SELECT」(コナカ)、「P.S.FA」(はるやま商事)など、紳士服量販業界大手が運営するツープライススーツ量販店で見掛けるスーツの多くのSUPERが100~120に収まっています。
つまり、カジュアルのイメージが強いとはいえ、ユニクロのスーツはビジネスシーンに十分耐えうる生地でした。むしろ、2万円前後という価格を考えたとき、コスパは良いといえるかもしれません。ただし、生地だけ見るならばスーツ量販店で購入しても良いわけです。それでもオーダーメイド感覚で選べるというところに価値がありました。