本場仕込みの「ディージェイ、ケオリ~」が生まれたワケをDJ KAORI本人に聞く
本場仕込みの「ディージェイ、ケオリ~」
これまでミックスCDは30枚以上出しており、累計販売枚数は460万枚を超えるなど、名実ともに日本が世界に誇る女性DJとして知られるようになった。
「ミックスCDを出すことにこだわったのは、パーティオーガナイズには向いていないと思っていたからです。ニューヨーク時代に、パーティの主催も経験しましたが、どうも集客とかが苦手で、『DJをやっていたほうが稼げる』と感じていたんです。日本でデビューしてからは、イベントのゲスト出演をメインに現場で活動することを意識していましたね」
ちなみにDJ KAORIさんと言えば、「ディージェイ、ケオリ~」の掛け声が代名詞のようになっているが、これが生まれた背景は「ニューヨークでの生活が影響している」と言う。
「ニューヨークのラジオDJは、自分のID(名前)をよく流していて、自分もそれを自然と真似るようになっていました(笑)。いわばニューヨーク仕込みでシャウトすれば、名前を覚えてもらえるかと思い、『ディージェイ、ケオリ~』が生まれたんです」
最盛期より「勢いが衰えてきている」
そんななか、コロナ禍前後でのクラブシーンの変化についてDJ KAORIさんに聞くと、「2000年代のクラブブーム最盛期の頃と比べれば、勢いが衰えてきている」と所感を述べる。
「普通のDJイベントを開催しても、ここ最近は日本人があまり集まらなくなっているのではと感じています。一概に言えるわけではないですが、景気の後退や若者のハングリーさの欠如など、複合的な要素が重なって、クラブシーン全体に変化をもたらしていると思うんです。
一方、最近では外国人が日本のクラブへ足を運ぶことが多くなっていて、外国人観光客がクラブシーンを下支えしているような状況と言ってもいいくらい、どこへ行っても外国人の方が盛り上がっている印象です」