東南アジアの発酵大国に挑む「日本の味噌」マルコメ現地法人社長に聞く“勝算”
タイでの人気商品は日本と変わらない
「弊社の製品の品揃えに関しては、一部の日本の小売店様より品揃えが多いかもしれません(笑)」(山本さん)
日本では、当然、売れ行き好調な商品を中心に棚に並べるからです。
「こういったイベントやショップでのリサーチの結果、日本とそれほど人気商品は変わらないことが見えてきました。もともと発酵食品に慣れ親しんでいるタイの人だからかもしれません」
味噌により深く触れられる機会を提供
そして、今回オープンした「蔵乃屋」ですが、北は北海道、南は鹿児島まで日本各地の味噌蔵から厳選した品を量り売りしています。現在(2023年2月)は6種類を用意。
さらに顧客のニーズに対して合致する味噌を提供できるスタッフを育成し、常駐させています。味噌コンシェルジュといった感じです。また味噌の歴史や各商品の説明をタイ語で詳しく書いたパンフレットも用意しています。
「こちらの店にはまた別な目的があります。1つ目は、日本食ブームの中で富裕層や高級日本食レストランのシェフなどが高品質な味噌を求めているという状況に応えようということ。2つ目は同じ富裕層がインバウンド客として日本に来られた際の味噌の購入意欲を喚起することです。そして、3つ目はタイへ観光にやって来るシンガポールや香港、中東など国外の人々に対する味噌のPRです」