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『silent』見逃し配信も話題のTVer、なぜ“伸び悩み時期”を突破できたか

ビジネス

『silent』見逃し配信も話題に

TVer

 将来の展望としては、「YouTubeの半分に相当する3500万MUBを目指したい」と中島氏は意気込む。地上波ではできない機能の充実や番組のセレクション、ユーザーレビューを番組ページ内に取り入れたりと、TVer独自の付加価値を追求していくことが鍵になるという。

昨年に大きな反響を呼んだドラマ『silent』(フジテレビ系)の見逃し配信に関しては、民放ドラマ歴代最高の531万再生を記録しました。このような配信コンテンツの強さや魅力はもちろん大事ですが、将来的には特に観たい番組や目的がなくても訪れたくなるようなサービスにしたいと考えています。

 今注目しているのは、先述したローカル局のコンテンツです。地方のバラエティ番組は毎週人気ランキングに入るほど、民放キー局に引けを取らないポテンシャルがあると感じています。TVerが配信するローカル番組から、次世代のタレントやお笑い芸人がブイレクし、地上波で活躍するような環境も作っていきたいですね

 今後テレビの未来をもっと明るくしていくためにも、TVerがテレビ業界を進化させていく担い手になる。このような思いを持って、今後も尽力していきたい」

 動画配信戦国時代と言われる今、TVerはこれからどう成長していくのか目が離せない。

<取材・文・撮影/古田島大介>

1986年生まれ。立教大卒。ビジネス、旅行、イベント、カルチャーなど興味関心の湧く分野を中心に執筆活動を行う。社会のA面B面、メジャーからアンダーまで足を運び、現場で知ることを大切にしている

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