女装男子が「痴漢被害撲滅」を訴える理由。受験生の“身代わり”で満員電車に
「短いスカートを履くのが悪い」という声も
1月14日のツイートは大きな注目を集めた。印象的な反応はあったのか。
「女性から『身代わりになってくれてありがとう』といったコメントをいただいたことはとても嬉しかったです。少しは役に立てたのかなと思いました。一方で、批判的なコメントには精神的に苦しかったです。『短いスカートを履くのが悪い』といった主張、さらには『痴漢を逃した罪は重い』といった意見も多く、大変ショックを受けました」
被害に遭った人に追い打ちをかける投稿も少なくなく、いかに今の日本で性被害を告発することが難しいのかがうかがえる。
被害者と加害者の間に立つだけでも
特に可愛い服が好きな唯。さんにとって「短いスカートを履くのが悪い」という声はとても残酷な意見に思えるが、「男女問わずファッションを自由に楽しむのは人間としての権利です。それは決して侵されてはいけないと考えています」と語気を強める。
「非は100%加害者にあります。『明らかに誘っている』といった主観的な考えで、ファッションの趣味趣向を否定することは許せません」
痴漢をなくすために必要なこととして、「加害者への厳罰化が第一」だという。それに加えて、いち乗客の立場でもできることがある。
「周りに目を配ったり、背後に気をつけたりなど、簡単なアクションを起こすだけでも変わるかなと思います。そして、痴漢被害に遭っている人を見かけた際にはすぐに助けてあげてください。直接トラブルになるのが嫌でしたら、被害者と加害者の間に立つ、といったことでも被害者は救われます」
唯。さんの投稿によって、はじめて異常な実態を知った人も多いはず。これを機に卑劣な痴漢加害者が世の中から駆逐されることを切に願う。
<取材・文/望月悠木>