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女装男子が「痴漢被害撲滅」を訴える理由。受験生の“身代わり”で満員電車に

暮らし

高校生が痴漢に遭う確率が単純に減る

 唯。さんがSNSに自撮り写真を投稿すようになったのは2020年ごろ。

「同じ趣味を持った人達と交流したいと思ったのと、“女装してみたいけど、どうしたら良いかわからない”という人たちに何かアドバイスできないかなと考えてアカウントを作成し、写真投稿をはじめました」

 話題になった2022年度の共通テストの日にに制服を着て、電車に乗ろうと思った経緯については次のように語る。

「共通テスト当日に痴漢が多発しているニュースは、ここ数年よく耳にしていたので、高校生が痴漢被害に遭う確率を少しでも減らせれば良いなと思ったことに加えて、何かTwitterで発信できないかと考えたからです。そこで、私が制服姿で電車に乗り込むことによって、実際の高校生が痴漢に遭う確率が単純に減るだろうと考えて行動に移しました」

身体を思い切り密着されて…

唯。さん

普段はスーツを着た会社員だ

 実際、どんな様子についても話してくれた。まさに悪夢のような体験だったようだ。

「直接手で触られてたわけではありません。他に立てるスペースがあるくらいの混雑具合だったにもかかわらず、後ろから抱きつくように思い切り身体を密着されました。その時はマスク越しでも伝わる、首元にかかる息がとても気持ち悪かったです。

 痴漢に遭ったら声を出して警察につき出そう!と電車に乗る前は意気込んでいましたが、実際に被害を受ける側になると、『抵抗したら殺されるかも』『周りの人が助けてくれなかったらどうしよう』といった事態が頭をよぎり、悔しくも何もできなかったです。今でもこの体験は鮮明に心に刻まれており、トラウマになっています

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