話題の二次元キャラ求人「介護しか勝たん!」広告主に聞く、“切実な現実”とは
PR効果はいかほどだったのか
Twitter上で大きな注目を集めた今回の求人広告。どうやらおおむね好感触だったとのことだ。
「肯定的な意見もそうでない意見も様々な意見が寄せられ、広告としては大成功だったと思います。SNSで多くの人に面白がってもらえている、さらには今回のように取材していただけるということは、世間にこのようにアピールする社会福祉法人が少ないことの証左ではないでしょうか。工夫次第で業界自体に興味を持ってもらえる、その“伸びしろ”が大きいことが伺えます」
介護業界は人手不足が叫ばれて久しいが、当事者として現状をどのように捉えているのか。
「当法人の事業所は、青森県内でも過疎の進行した農村漁村に多く、介護の担い手はおろか生産人口自体が枯渇している状況です。本来は、そうした生産人口が地域の経済や産業を活性化させるための底支えを担うことが社会保障の分野です。ただ、生産者人口の減少によって働き手を、地域の産業と介護業界が引っ張り合う現状になっています。私たちの地域では若者人口の流出を少しでも食い止めることは、地域全体の命題なのです」
ユニークかつ煌びやかなポスターとは裏腹に、厳しい現状が背景にあることがわかった。若者の就職先に介護業界という選択肢が広まることを願いたい。
<取材・文/望月悠木>