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パチンコや麻雀が楽しめる「介護施設」。当初は“反対意見”も実現に至ったワケ

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スタッフがディーラーに!

 体操が終わるとすぐに思い思いの娯楽に身を投じる。スタッフがディーラーとなり、ブラックジャックがスタート。すぐ隣では麻雀も始まった。ここに来て初めてこれらを始めた人も多いという。

ラスベガス

スタッフがディーラーに

 麻雀は、符計算がややこしく、初心者でなくても難易度が高いが、ここでは符計算という概念はなく、翻数のみで点数が決まる。例えば、子が七対子ドラ2を上がった場合、本来は6400点になるが8000点(満貫)になり、とても計算しやすい。

 また、麻雀を知らないスタッフも当然いる。そのため、研修の機会を設けているが、利用者からも教えてもらいながらルールを覚えることが常らしい

ラスベガス

カラオケルームも

 なお、カラオケルームも用意されており、さながらラウンドワンのような総合アミューズメント施設になっている様相だ

利用者にリアルな意見を語ってもらった

ラスベガス

海老沢さんが飲んでいたノンアルコール飲料

 せっかくなので利用者に話を聞いてみた。5年ほど前に本施設がオープンした時から通う初期メンバーの木村さん(68歳)はラスベガスについてどう思っているのか。

麻雀やカードゲームを楽しんでいるのですが、指先や頭をよく使うため、以前よりも物忘れが減りました。ここに来るまでは家でぼーっとテレビを見ることくらいしかやることがなく、楽しみはあまりなかったです。ただ、ラスベガスに来るようになり、ゲームを楽しんだり、利用者とコミュニケーションをとったりなど、楽しみが増えました。女房も元気になった私の姿を見て喜んでくれています

 また、木村さん同様の古株で、ノンアルコール飲料を飲みながらブラックジャックに興じていた海老沢さん(78歳)は、「みんなでワイワイ遊べるので、ここに来るのがいつも楽しみです」と話す。

「ラスベガスに来る前は5軒ほどデイサービスを利用したのですが、どこも長く続きませんでした。私は歌うことが好きなのですが、他のデイサービスでは利用者全員で歌わされるのですが、それがとにかく嫌だったんです。あとは手芸や絵描きもよくやらされましたが、あまり好きではありません。ここならカラオケルームに入って1人で歌うことができ、ゲームも楽しめます」

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