高卒からリクルートのトップ営業に。32歳女性海外ノマドの生活事情「食費は5万円くらい」
コロナ禍のテレワーク推奨で、住まいを転々としながら働くスタイル、「デジタルノマド」が増えている。海外フリーランスとして東南アジアを拠点に暮らす日本人女性に、現在の生き方を切り拓くまでの経緯や、現地生活の様子を取材した。
東南アジアを拠点にフリーランス生活
2022年7月、神奈川出身のこちさん(32歳)はIT系フリーランスとして独立し、海外拠点での生活を始めた。現在はバンコク在住で、日本のIT広告会社と業務委託契約を結んで働いている。
「フルリモートで海外営業の仕事を請け負っています。日本のほうが2時間進んでいるんですが、勤務時間は日本に合わせて午前8時から午後5時まで自宅やカフェで働き、土日が休みです」
独立して最初の2か月は、マレーシアの首都クアラルンプールを拠点とした。現地生活の様子は、自身のYouTubeチャンネル「こちChannel」で紹介されている。
「タイかマレーシアに数年腰を据えて住みたくて、どちらにするか悩み中なんです。先日お試しでクアラルンプールにプチ移住してみて、いったんバンコクに戻ってきました」
タイ生活最大のメリットは “コスパの良さ”
現在こちさんが暮らしているのは、バンコク都心部のコンドミニアムだ。42平米の1LDKで、家賃は月々およそ6万円。家具や家電は備え付けで、プールやジムもある。
「家賃は値段交渉してかなり安くしてもらいました。良い物件を見つけたら現地のエージェントに片っ端から連絡して、『明日入居するから安くできませんか?』などと交渉しています。タイの賃貸は礼金がなく、家具家電は備え付けなので、値段が決まりさえすればサクっと入居できるんです」
こちさんの先月の生活費は、電気代が2600円、水道代が300円、通信費が4900円(スマホ代込み)。住む場所によるが、公共料金全般は日本に比較して安い印象を受ける。
「食費は5万円くらいです。自炊が8割で、外食が2割。タイ料理も大好きなんですけど、やっぱり日本の味が心の安定に繋がるので、日系スーパーで購入した食材を使ってほぼ和食を作っています。美味しいものを食べることが生きがいなので、そこはケチケチしないと決めています(笑)」
海外だと医療面が心配になるが、こちさんは年間13万円ほどでタイ現地の保険を契約しており、日本人通訳が常駐する病院を安心して利用できているという。
「東京にいたときに比べて生活の質は上がっているのに、コストは抑えられていて、そこは大きなメリットだと感じますね」