“雇われサポーター”ばかり!? 盛り上がりに欠ける「カタールW杯」街中を現地ルポ
“カタール代表は見ない”在住者の言い分
実際、記者が街で生活している人に「カタールの試合を観た? そしてスタジアムになにか試合を観に行く予定はあるの?」と聞いても、みな首を横に振るばかり。
カタール在住者向けのチケットが1500円程度で売り出されているにもかかわらず「自国のチームは出ていないし、かといってカタール代表は、開幕戦に負けてしまったから」と浮かない表情。
繊維問屋のような巨大なマーケットを訪れた際には、大量の「応援グッズ」が売れ残っているのを目撃したのも印象深かった。そこに集まっている人たちはブラジルやアルゼンチン、ドイツ、スペインなど強豪国の国旗やグッズを手にしていた。
「あまり共感を得られない」サッカー事情
前出の記者は続ける。
「カタールはカネにものを言わせて強豪国や近隣諸国から選手を帰化させ、代表選手にしているので、あまり共感を得られない。
最近ではそうした選手を自国のアカデミーで養成。2019年のアジア大会決勝では日本を3−1で破り、アジアチャンピオンとして、今大会に臨んでいますが、その後、チームの調子は正直下降気味。開催国ですが今後も、厳しい戦いが予想されますね」
W杯の歴史で開幕戦を戦った開催国で、初の黒星を喫したカタール代表。本稿の締め切り時点で、まだ彼らの勝利をこの目で目撃していないが、勝利でこの国の雰囲気を変えることができるか(※その後、カタール代表は開催国として史上初の3連敗でグループリーグ敗退)。
<取材・文・撮影/遠藤修哉(本誌)>
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