“雇われサポーター”ばかり!? 盛り上がりに欠ける「カタールW杯」街中を現地ルポ
世界最大のスポーツの祭典、カタールW杯。現地の物価高、円安、そして宿泊施設のトラブル、酒の禁止……過去の大会より苦戦を強いられた日本のサポーターはいかに戦っているのか? 大会が行われている中東カタールのドーハ中心部に記者がとんだ!
カタール人はどこ?盛り上がりに欠ける街中
2016年ブラジル大会、2018年ロシア大会と2大会を取材してきた記者だが、過去2大会と本大会が決定的に違う点がある。それはユニフォームを着たり、国旗を振ってカタールを応援する人を街中でほとんど見かけないことだ。
カタールは秋田県ほどの面積に約290万人が住んでいるが、カタール国籍は約13%で実に87%がインドを中心とした外国人労働者で、フィリピン、ネパール、パキスタン、スリランカ、バングラデシュ人など主に英語圏の人々が出稼ぎ労働者として生活する。
通常ならば開催国の国民が大会が進むにつれ“自然”と盛り上がっていくのだが、今回はそれがまったくないのだ。
大会を盛り上げるのは“雇われサポーター”
カタールのサッカー事情に詳しい記者が説明する。
「カタールは開幕戦を戦いましたけど、テレビに映っていた“サポーター”には生粋のカタール人はほぼいないというのが事実。あのサポーターたちは実は雇われで、彼らの大半は外国人労働者。日当をもらって“出稼ぎ応援”するのはカタールの国内リーグ発足時からの伝統なんです。
労働者にとっては実に割のいい仕事で、今大会、街中でブラジルやアルゼンチンなどのユニフォームを着た、非ブラジル人、非アルゼンチン人を多く見ますが、彼らも大会を盛り上げるいわば“雇われサポーター”。大会中カタール当局はインスタなどのSNSを使って彼らが街を行進する様子をアップし、熱気を演出していました。カネのある国ならではの所業ですね」
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