「日本の快進撃だけが心の拠り所」カタールW杯の“大混乱ぶり”、記者が現地で見た
朝食だけで3400円!?
しかも1万6000人を収容しようというのに飲食店はビュッフェ形式の直営レストランが2軒(1軒は稼働せず)、値段を聞けば、朝食が約3400円(89カタール・リヤル)、昼食が約4200円、夕食が4800円という“お値段”で閑古鳥が鳴く。
ならばと敷地内に点在する屋台で朝食を取ろうとすると2700円。人だかりができているのを見ると我ら日本人と各国のサポーターとの格差を痛感する。
スーパーでは入店から会計まで小1時間
貧乏サポーターたちが頼るのが施設内にある1軒のスーパーマーケットだ。市中と同じ値段で飲料や食料品が買えるとあってオープンの午前8時から午前3時まで大盛況。入店からレジで会計を済ますまで小1時間はみないといけない“大仕事”となっている。
この施設の最大勢力、アルゼンチンサポーターはレジ待ちのとき嘆いていた。
「ビールも飲めない国にわざわざ来たのに、法外な値段を取られ、おまけに試合にも負けた。国の家族に電話して嘆いたら『すぐに帰ってきなさい』って言われたよ(笑)」
風が出ると砂嵐で室内はおろか水道水までザラつく環境。日本の快進撃だけが心のよりどころとなっている。
<取材・文・撮影/遠藤修哉(本誌)>