「日本の快進撃だけが心の拠り所」カタールW杯の“大混乱ぶり”、記者が現地で見た
“サポーター村”の住み心地は?
冒頭に戻ろう。今ここで何が起きているかというと、オーバーブッキング、正確に言うと受付機能、そして施設の準備が整わず、大量の「宿泊難民」が発生しているのだ。
この施設、全棟が約7m×5mのコンテナでできており、2床のベッドとユニットバス、冷蔵庫とクーラー、クローゼットが備えつけられている。しかし床は人が歩くとベコベコへこみ、室外から空気を取り込むクーラーの管は簡単に引っこ抜ける。
8300棟コンテナは4分の1が未稼働
お湯が出ない、停電は当たり前。記者の部屋でも室外の給湯器のパイプが外れ、水が盛大に噴き出すなどトラブル続き。これで一泊3万円というのだから怒りを買うのも無理はない。
加えての受付のダウン。広大な敷地にコンテナが約8300棟、最大1万6500人を収容しようとしたが、建設が間に合わず、現在約4分の1が稼働できない状態になっている。
大会が始まり急増した予約者に施設側は急ピッチで整備を進めるも、遅々としており、結果、山積するクレームに受付担当者も早々に悲鳴を上げ不在となる事態も。受付には堂々と「今日は案内できる部屋はありません」と掲示されている日もあった。