ぼる塾、ヒコロヒー…人気女性芸人のブレイク前夜を「M-1ファイナリスト」が回顧
ぼる塾:学園祭で不安そうにしていた
「ぼる塾」は、「しんぼる」(きりやはるか・あんり)と、「猫塾」(田辺智加・酒寄希望)の2組が合体して生まれたユニットです。猫塾とはお客さんが8人ぐらいのライブで一緒でした。田辺さんの持ちネタ、髪を後ろに投げての「まあねー」が会場でも凄く喜ばれていた印象です。
『うつけもん』(フジテレビ)という番組で頭角を現し、2017年には東邦大学医学部の学園祭でインパルス、馬鹿よ貴方は、猫塾が一緒に呼ばれていました。確か、学園祭に呼ばれることが初めてだったらしく、とにかく不安そうにしていた。
2019年の『M-1グランプリ』で「ぼる塾」として登場、爆裂に面白かったです。気づけば、酒寄さんは産休に入り、表舞台はトリオに。構成作家のように裏方で酒寄さんがネタを作るフォーメーションができあがっていますね(酒寄は2022年11月から復帰し、漫才劇場で舞台にも出演)。
鳥居みゆき:ネタをせずに帰ってしまった
鳥居みゆきが20歳ぐらいの時に(現在41歳)、ライブで結構一緒になっておりました。当時は、松みのるさんという方の事務所「S&D Studio」所属していました。
当時から鳥居みゆきさんはすでに異彩を放っており、急に叫んでぬいぐるみを舞台袖に投げたりして、キャラクターはすでに完成していました。美しさと、狂気性で、印象に残った芸人の1人ですね。
のちにサンミュージックに所属。「しもきた空間リバティ」という劇場で、被り物を使ったネタをやっていたのですが、被り物を取った際、「おー」という歓声が。初めて顔を見た男性が、思った以上の美人が出てきたことでファンになっていたようで……。それにしても、あんなに隙のないぐらいボケまくる人だとは思いませんでした。
売れた後に小さいライブでご一緒したことがありましたが、ネタはせずにがなり(これからネタをする出演者の名前を呼ぶ)だけをして、帰っていきました……。お客さんは、「鳥居みゆきが来た」ということを気づいていなかったでしょうね。本当に想定不能のボケをする人です。