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石川県の「人気ラーメンチェーン」がタイ進出30周年。成功要因は“サイドメニュー”に

ビジネス

醤油ラーメン+コーラ+餃子セットが約700円

8番らーめん

店内は満席。壁には日本語の標語が掲げられている

 店舗レイアウトや接客方式は日本と同じで、タイ人のみによるオペレーションが確立している。メニューは日本語、タイ語、英語の3種類の表記があるが、読めないタイ人も多いであろう日本語が一番大きい。これはなぜなのだろうか。

「日本発祥のフランチャイズチェーンかつ、日本のラーメン店であることを全面的に伝えるために、日本語表記を一番大きくしています」(ハチバン本社担当者、以下同じ)

8番らーめん

日本語の表記が目立つメニュー

 スタンダードな醤油ベースの「8ちゃん麺」単品は78バーツ(約306円)。コーラと餃子がついた「餃子セット」は180バーツ(約707円)。タイの日本人経営のラーメン店では、ラーメン1杯が平均200バーツ前後なので、それに比較するとかなりお手頃価格といえる。

「材料はすべて現地調達です。若干の違いが生じてしまうことはありますが、基本的には日本と同じ味付けでの提供を目指しています」

タイ限定「トムヤムクンらーめん」を実食

 タイ限定メニューの代表格といえば、タイ名物トムヤムクンをスープのベースにした「トムヤムクンらーめん」だ。注文すると、わずか3分後に運ばれてきた。

8番らーめん

トムヤムクンラーメン 125バーツ(約490円)

 細麺の上に有頭エビ3尾、白地に赤く8の字が入った蒲鉾(通称ハチカマ)、刻みネギ、フクロタケがトッピングしてある。パクチーの風味がふわりと香り、程よい辛味と酸味、エビのうまみを感じる本格的な味わいだ

 テーブルの上にはタイ定番の卓上調味料が置かれ、好みの味に調整できる。ラーメン1杯の分量は少なめで、女性の筆者でも「もう少し食べられるな」という感覚なのだが、これもローカライズ戦略のひとつだという。

8番らーめん

卓上調味料は酢、粉唐辛子、砂糖の3種

タイでは1日5食という人が多く、一度の食事量が少ないんです。現地の食習慣に合わせて、日本のラーメン1玉よりも量を少なくしています」

 2022年7月、8番らーめんのタイ進出30周年を記念して、日本の店舗でもトムヤムクンらーめんが期間限定で販売された。すでにタイから日本への逆輸入が起きている。

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