数千万円の被害も!若者も被害に「国際ロマンス詐欺」は世界で横行する“ビジネス”に
さらに二次被害の報告も…
また、さらに問題なのが二次被害だ。
「騙された金銭は、ほぼ100%取り戻せません。返金される可能性があるのは、銀行口座に振り込んだ事案で口座を凍結するなどしたときに、まだその口座にお金が何らかの事情で残っていた場合です。しかしほとんどはお金は残っておらず、回収できた実績はあまりありません。
にもかかわらず、ネットで検索すると『返金できます』と宣伝する弁護士事務所が山ほど出てきます。これらは被害者を狙った悪質な詐欺の可能性が高いです。所属弁護士が1人の事務所なのに24時間LINE相談可能など、通常では考えられない対応をうたっています」
「手軽さ」をアピールする弁護士にも注意
「実際は弁護士と直接相談できる機会はほとんどはなく、『回収可能性があります』など説明する事務員の対応で契約し、着手金だけ支払わされて、結局ほとんど回収できずに終わりになります。都合のいいうたい文句や、手軽さをアピールするサイトには注意してください」
普段なら騙されないとしても、恋人と別れた、仕事が辛い、引っ越しなどで友だちから離れてひとりになったなど、詐欺師は人の心の隙間につけ込んでくる。金田弁護士は「オンラインで金銭を請求されたら間違いなく詐欺だと思ってください」と警鐘を鳴らす。
「国際ロマンス詐欺」は、もはや他人事ではない。
<取材・文/和久井香菜子>
【金田万作】
笠井・金田法律事務所。熊本県熊本市出身。第二東京弁護士会所属。東京大学法学部卒業後、同志社大学法科大学院卒業。専門は、投資被害やクレジット・リース関連など。ベネッセの情報漏えい事件では自ら原告となり弁護団も結成
Twitter:@mansakukanada