数千万円の被害も!若者も被害に「国際ロマンス詐欺」は世界で横行する“ビジネス”に
ネットの出会いに抵抗がない若者は要注意
脳内メカニズムで恋の疑問を解いた学術書『人はなぜ恋に落ちるのか?』(ヘレン・フィッシャー、大野晶子・翻訳、ソニーマガジンズ)によると、まず人は、やり取りを頻繁に繰り返す相手に恋心を抱きやすい。詐欺師たちはメッセージを送ると秒で返信してくるため、親近感を覚えやすいのだ。
また恋に落ちると、脳からはドーパミンが分泌される。ドーパミンは思考をポジティブにさせて、多少の不都合には目をつぶり、相手のことばかり考えさせるようになる。いわゆる「恋は盲目」状態だ。
「一度金銭を支払ってしまうと、『これを取り戻すまではやめられない』という気持ちになります。損切りができない株やギャンブルと同じです。真剣な交際とまでは行かなくても、連絡くらいしてもいいかなという軽い感じでスタートして、LINEのやりとりでのめり込ませることもあります」
国際ロマンス詐欺は「ほぼノーリスク」
「20~30代は、ネット経由の出会いが普通なので、暗号資産・仮想通貨含めた投資に興味があったり、抵抗がない人に特に注意が必要かなと思います。純粋なロマンス詐欺だけでなく、LINEのグループに突然入れられて勧誘されるなど、似たような投資詐欺はたくさんあるので、そこで興味を持たないように注意が必要です」
ではなぜ、世界中の組織がロマンス詐欺に乗り出しているのか。
「オレオレ詐欺は実際に金を受け取る受け子が必要になるなど、リスクがあります。しかし国際ロマンス詐欺の場合は『1000通メールを出して、1通引っかかればいい』ので、ほぼノーリスクです。国際ロマンス詐欺は、個人ではなく組織として取り組む注目の”ビジネス”なんです。日本ではやりとりに使用するツールはLINE。銀行口座で利用されるのはここ2~3年ほとんどが三井住友銀行で、最近はネット銀行も増えてきました。何らかの原因があるはずです」