「よいものは売れる」は嘘。大多数の人が勘違いしている、“伝える努力”の大変さ
宣伝時には大義名分を伝える必要がある
そして、宣伝時には、きちんとその商品やサービスの大義名分を伝える必要があります。もし、自分の中で大義名分が定まっていないのなら、「この会社はなんのために存在するのか」を会社の人たちと大いに議論してみてください。
先にも述べたように、本来ならこうした議論は経営者がリードして、最終的にみんなが話し合い、納得して、進めていくものです。「そうだね、こういうサービスや商品はやっぱり必要だ。でも、サステナブルにやっていくためには、売上や利益がなければならないよね。じゃあ、どうしたらいいんだろうか」という建設的な議論がベストです。
ただ、経営者の中にはこういう本質的な活動をせずに、あり得ない数値目標を掲げて現場にプレッシャーをかけることを仕事だと勘違いしているアホがいます。そういう会社で、勝手にこういう議論をすると経営者に嫌われて出世に響くかもしれませんね。でも、もしそんなろくでもない会社だとわかったら辞めちゃえばいいんじゃないですか?
人生の貴重な時間をバカな経営者に付き合って無駄に過ごすのってアホくさいでしょ? 私なら絶対にこれをリトマス試験紙にして会社の将来性を判定するでしょうね。
易行に走るとろくなことがない
大義名分を共有することによって、その会社の社員は初めて「共通言語」を持つことができます。その共通言語を持つからこそ、やっと言葉が通じるようになる。人を動かすのに魔法の言葉なんていりません。共通言語があれば言葉は伝わり、人は動く。極めてシンプルな話です。
ところがこの共通言語を持つことは非常に大変です。だから、多くの経営者や管理職の人が“難行”を避けて、“易行(いぎょう)”に走ります。「言葉で人を動かす」というような本を読んで、「なるほど、こういう言葉を使えばいいのか!」などとアホな勘違いする。でも、決して物事はそんな簡単ではありません。