10万円超を持ち逃げした新人社員。先輩の「冷静な分析」がドンピシャすぎた
「お金をもってトンズラする人がいる」
事故に遭ったのかもしれないし、強盗に襲われたのかもしれないと心配していた五条さん。すると先輩社員は「こういうの、たまにあるから」と、冷静なまま。そんな先輩の回答に「え、どういうこと?」と、五条さんより後に入社した若手社員たちが食い気味にザワつきます。
「先輩は表情ひとつ変えず、『ここ1年ぐらいはなかったけど、集金から戻って来ない人、たまにいるから。ほら、お金持ってね、トンズラ』と言い、とくに焦る様子もありません。それとは対照的に社内は『それ、ヤバくない?』『お金、誰が弁償すんの?』とザワつきました」
するとT先輩は、「Kと連絡が取れない場合は、親に電話するしかないよね。事情を話したら、Kが持ち逃げしたお金、全部払うと思うよ。こういう仕事してると、そういうヤツがたまにいるのよ。親がお金を支払ったらひょっこり出てくるパターンだろうな」と回答。
トンズラ社員の親に電話したら…
夜遅くになってもKが戻らなかったため、先輩がKの実家へ連絡。事情を聞いた両親が「とにかく弁償させてくれ」と言ってお金を支払いました。さらに2週間ほど経った頃、Kの親から会社に「Kが戻った」と連絡があったのです。
「両親は『戻ってくるなり、さっそく泣きついて金の無心をしはじめた。何も変わっていない』と吐露していたらしく、単純にKが戻ってきたことを報告したかったのか、愚痴りたかったのかよくわからない様子だったとか」
入社1年目の五条さんにとってKさんの退職劇は驚きの連続だったそうですが、もっと驚いたのは、そういった退職が「たまにある」という先輩社員の言葉だったと言います。悪いお手本として語り継がれないよう、退職するときは清い辞め方をしたいものですね。
<TEXT/夏川夏実 イラスト/葉月しあ(@shia_lifestyle)>
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