幸せが招いた最悪なシナリオ!“泣き寝入り退職”するしかなかった女性の苦悩
「独身貴族を貫く人だと思っていたのに」
高瀬さんがいちばん最初に報告したのは、もちろん代表のTさん。けれど結婚を報告した途端、「え、どういうこと?」と、Tさんは明らかに不機嫌そうな様子で返します。よく状況がのみ込めない高瀬さんに、「裏切ったんだ?」と、ものすごい形相のTさん。
「すごく混乱しました。どうリアクションをとっていいかわからず固まっていると、『高瀬さんだけは、仕事一筋。僕と同じ独身貴族を貫く人だと思っていたのに』と、とにかく不機嫌極まりない様子でそう言われました」
そして、「申し訳ないけど、1人にしてほしい」と、社長室から追い出されてしまいます。状況が理解できないまま1週間ほど経ち、代表Tさんの知り合いだという女性が入社。これまで高瀬さんが同席していた会食などには、すべてその女性が行くことになったのです。
裏切り者扱いされ、退職することに
「周囲からもいろいろと噂され、だんだんと会社に居づらくなって退職しました。Mさんに相談すると気に病むかもしれないと思うと事情を話すこともできず、泣き寝入りするしかなかったのです。いまでもすごく残念ですし、悔しいと感じています」
まさかそんなことで退職するとは思ってもみなかった高瀬さん、「誰でも、いつ、どのような状況で会社を辞めることになるかわかりません。たとえ正社員として働いていても、資格を取ったり副業をしたりしてリスクを減らしておかないと怖いです」と話してくれました。
高瀬さんのように理不尽なケースは珍しいかもしれませんが、勤めている会社が倒産するということもあり得ます。「もしも」のときに備え、資格を取ったり副業をしたりしてリスクを減らしておくことが、将来の自分を守る重要なキーとなるかもしれません。
<TEXT/夏川夏実 イラスト/葉月しあ(@shia_lifestyle)>
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