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「昔は今より口が悪かった」納言・薄幸に聞く、相方のこと、これからのこと

暮らし

子役の仕事は「エキストラばかりだった」

――なりたいと思ってがんばる人はいると思うんですけど、最初からなると思っているのが面白いですね。

薄幸:キモかっただけだと思います。イタい子だったんじゃないですか。簡単になれるものだという感覚があったんですよね。

――じゃあ、子役をやっていた頃も、当然すぐにテレビに出るんだろうと思っていたんですね。

薄幸:そうですね。10代中盤くらいからすぐ出られるんだろうなと思っていました。

――それってどこかで現実に気付くものなんですか? あれっ、意外と出られないな、あんまり仕事ないな、とか。

薄幸:仕事はエキストラばかりだったんですけど、その中でも当日現場で監督がエキストラのみんなのところに来て「ちょっとこのセリフ全員言ってみて」って一人ひとり言わされて、そのうち半分くらいがセリフもらえる、みたいなことが結構あるんですけど、私は1回もセリフもらえたことなかったんですよね。だから、私、演技下手なんだな、っていうのは何となく気付いていました。

アイドル番組のMCをやいたい

薄幸

――それっていま思うと何か理由はあるんですか? 単純に才能がなかったのか、別の理由なのか。

薄幸:才能ないのと、もともとのしゃべり口調があんまり感情あるしゃべり方じゃないので。

――なるほど。それで感情表現とかが得意じゃなかったと。

薄幸:感情表現は得意じゃないですね。あと、極度の緊張しいなので、レッスンとかでみんなに見られているのも苦手でした。

――薄幸さんは、今後こういう仕事がやりたいとか、目標とすることはありますか?

薄幸:アイドル番組のMCをやってみたいですね。あれって、たぶん女芸人でやっている人があまりいないじゃないですか。本当にデビュー1年くらいの何もできねえやつらを集めて、育てている感が格好良いなと思うんですよ。これはもうめちゃくちゃこっちががんばらないといけないと思うので、そういうのはやってみたいです。

<取材・文/ラリー遠田 撮影/ともまつりか 編集/ヤナカリュウイチ(@ia_tqw)>

【薄幸】
1993年生まれ、千葉県出身のお笑い芸人。小学5年生から子役養成事務所に入るも、高校2年生のときに女優の夢を断念。以後、芸人を目指し、2015年テレビ番組内でビートたけしより現在の芸名を拝受。2017年に安部紀克と『納言』を結成。「三茶の女は返事が小せえな」「渋谷はもうバイオハザードみてえな街だな」など“街ディス”ネタで人気に。薄幸の令和の時代に珍しいほどのヘビースモーカーっぷりや大酒飲みのやさぐれキャラクターにも注目が集まっている

お笑いやテレビに関する評論、執筆、イベント企画などを手掛ける。『教養としての平成お笑い史』など著書多数。近著は『お笑い世代論 ドリフから霜降り明星まで

今宵も、夢追い酒場にて

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