姑息なセクハラ上司に“証拠”を集めて…「虫けら」と呼ばれた社員たちの反撃
退職の意思を固めたことを知り覚醒
「M美さんを助けられるのは、僕しかいないと思いました。そうなると、職場の同僚たちや僕自身も救われる作戦を立てなければいけません。どう考えてもHリーダーを失墜させるしか方法はなく、作戦にかかわる全員がリスクを覚悟する必要がありました」
これまでは、何を言われても受け入れて我慢していた高橋さん。そんな高橋さんにHリーダーは、自分がしているパワハラやセクハラを自慢気に話し、その対象を「虫けら」「弱者」と表現することもありました。それを逆手に取ろうと考えたのです。
「過去には、上司などに告発した人もいました。でも、Hリーダーが社長の息子だということもあってか、『様子見』『調査したが実態がつかめない』などと相手にされず、告発した人が辞めていくこともあったのです。そのため、慎重な行動が求められました」
3か月かけて被害者たちの意思を統一
パワハラやセクハラを受けている人たちを1人ずつ丁寧に説得し、ボイスレコーダーやスマホで証拠を集めるようお願いしたと言います。そして高橋さん自身も、証拠集めに奔走。Hリーダーの機嫌をとっては自慢気に話す部下たちへの問題行動を録音しました。
「パワハラやセクハラの被害を受けていた人たちは僕も含め、Hリーダーに怯えていたので、とにかく説得するのが想像以上に大変。全員が意思を固めるまでに3か月ぐらいかかりました。でもそれからは、揺らぐことなく一致団結。証拠が固まるのも早かったです」
証拠を持って、被害を受けた全員で社長のところへ向かいました。そして、「会社がしっかりと対応してくれないなら、情報を週刊誌へ持ち込む」と交渉します。すると、数日後には辞令が出てHリーダーは降格。