姑息なセクハラ上司に“証拠”を集めて…「虫けら」と呼ばれた社員たちの反撃
世の中には、権力を振りかざして弱い者いじめを堂々とおこなう悪魔のような人間が少なからず存在します。今回話を聞かせてくれた高橋伸之さん(仮名・27歳)は、ズル賢く陰湿な相手を分析。同じ境遇の同僚たちと手を取り合って状況を好転させました。
高橋さんは、ヒステリックな母親から常に怒鳴りつけられていたこともあり、怒られたり大声で何かを言われたりすることが大の苦手。そのため物心ついた頃から自分の意見は飲み込み、嫌なことでもまわりの空気を読んで我慢をするのが当たり前になっていました。
おとなしい社員を見せしめに
「大学卒業後に入社したのがいまの会社です。職場には物静かなタイプの人が多く、上司や先輩も気性が穏やか。そのため最初の頃は質問もしやすく、のびのびと仕事ができる環境でした。状況が変わったのは、社長の息子がリーダーになってからです」
50歳手前の男性H氏が、一部の社員に対してパワハラ&セクハラを繰り返しおこなうようになったのです。高橋さんを含む多くの同僚が息を潜めるように毎日を送るようになると、H氏の言動はさらにエスカレート。
「声をあげないようなおとなしい社員ばかりを集め、そのなかから1名を選んで暴言を吐き、みんなの前で見せしめにすることもありました。死角になる位置で女性社員のカラダを触っているのを見たこともあります。僕も、標的でした」
ストッパーとなっていた後輩の存在
そんな状況に耐えること約1年半。辞めていった同僚も多く、高橋さんも退職を考えたこともありました。ストッパーとなっていたのが、口数が少なく硬い表情のときも多いけれど、時折見せる笑顔が魅力的な4つ年下のM美さん(23歳)の存在です。
「M美さんは新卒入社で、新人研修を終えたあとすぐ、僕と同じ部署に配属されました。M美さんはHリーダーのお気に入りであり、セクハラの標的にもなっていたので見ていて、ツラかったです。でも、見ていることしかできませんでした」
我慢していたが、高橋さんが密かに恋心を抱いていたから、Hリーダーからのセクハラについて相談を持ち掛けられたとか。最初は相談を受けることしかできなかった高橋さんでしたが、M美さんが退職の意思を固めたことを知り、覚醒したと言います。