片想いだった女性からの「会いたい」LINEメッセージに仕組まれた罠とは
サークル仲間と食事をしにきたつもりが…
「サークルで一緒だった面子と飲み会をするという案内でした。是非参加して欲しいということで、久々にサークルのみんなと会えると思い参加することにしました」
飲み会当日となり、指定されたお店に向かった直人さん。ところが、そのお店の前で待っていたのはAさんただ一人だけでした。
「Aさんは、他のメンバーは都合がつかなくなって欠席することになったと笑顔で言ってみせていましたが、僕はその時にすかさず『やられた』と思いました」
呆気に取られて物も言えなくなってしまった直人さんを差し置いて、とりあえず店内へ。テーブルにつくや否や何やらグラフの書かれた資料を刺し出すAさん。
なんだか哀れに見えてきた
「オフレコの投資案件に関するものらしく、身近な友人だけ特別に紹介していると言っていました。衝撃が強すぎてあまり正確には覚えていないのですが、初回に50万円払い込めば1年後には10倍になるといった内容だった気がします。その話が詐欺商法であることは、下っ端と言えども金融マンである僕にも一目瞭然でしたね」
その様子を目の当たりにして、逆に哀れに見え出した直人さん。大学時代のクールなAさんの面影はありませんでした。
「適当に話を聞くふりをして、僕は早々と切り上げて店を出ました。そのあとすぐに、サークルのグループLINEにAさんからの投資案件に気をつけるよう注意喚起もしておいたんです。サークルの仲間たちも当時僕がAさんの虜になっていたことは知っていたので、みんな驚いていました。心を鬼にした自分の行動で、一刻も早くAさんが更生してくれることを願っています」
しばらくした後にLINEを見ると、Aさんはそのグループから退出していてアカウントも消失。学生時代に憧れていたAさんの変わり様に正直ショックが隠せない直人さんですが、注意喚起のメッセージを目にして、他のメンバーたちもやるせない感じだったそうです。
<TEXT/ベルクちゃん>