「簡単な仕事」だとバカにしていたコンビニバイト。32歳元店長が猛反省するまで
バカにしていたコンビニの仕事で劣等感
「レジにも、現金やクレジットカード、スマホ決済など覚えることが山のようにあります。気がつけば、バカにしていたはずのコンビニで焦りと仕事への劣等感を覚えていました。救いだったのは、年下のバイトやパートの人たちがやさしかったことです」
渋沢さんが何度同じことを聞いても、年下のバイトやパートの人たちは嫌な顔ひとつせず、何度もわからないことを教えてくれました。そんなある日、渋沢さんがレジをしていると、飲食店で店長をやっていたときに辞めていった元アルバイトがやってきます。
「俺が結構キツイことを言って辞めたバイトの子だったので、正直、絶対バカにされると思っていました。気づかれたくなかったので気づいていないフリをしていたのですが、渡されたコンビニ支払い用のバーコード決済用紙を受け取った瞬間、声をかけられたのです」
元部下へのレジ接客で過去の自分を反省
「あれ? 渋沢店長……?」と言われ、「全然、気づかなかった」と苦笑いした渋沢さん。しかし、これだけでは終わりませんでした。元バイトが持って来たバーコード決済は、ある生命保険会社のもので、コンビニ支払いのほかに銀行支払いもできる特殊な用紙だったのです。
「銀行支払いなのか、コンビニ支払いなのかによって切り取る箇所が違うという用紙でした。コンビニでのバイトをはじめたばかりだったこともあり、慣れない出来事にモタモタしていると、元バイトはやさしい笑みを浮かべて『ゆっくりでいいですよ』と言ったのです」
渋沢さんは、その元バイトのやさしさに、過去の暴言や態度を猛反省。そして、「まだ慣れてなくて……悪い……」と、精一杯の謝罪をします。元アルバイトは、「誰でも最初はできないし、気にしないでください。また来るので、店長も頑張ってください」と笑顔で退店。